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構陣師  作者: ゲラート
第2章 獣王征伐
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出航

ノルマルに向けて出発する日の朝。私たちは港に来ていました。

「あんたらが『落涙』と『魔眼』かい。噂通り凸凹コンビだね」

キャプテンハットを被っていて眼帯をつけた水色の髪の女の人が私たちを見比べながら言いました。

「はい。『落涙』の光です。えっと…ドレーク船長さんですよね?よろしくお願いします」

私は手を差し出しました。

「フランでいいよ。よろしく」

フランさんは手をがっしりと握ってくれました。

「『魔眼』の沙夜よ。ノルマルまで頼むわ」

沙夜ちゃんもフランさんと握手しました。


「…海賊なんて。何でそんなやつらを頼らないといけないんだ」

金田さんはフランさんから離れて呟きました。

「んだとてめえ。海に沈めるぞ」

バンダナをつけた大柄の船員さんが金田さんにすごみました。

「よしな。ビビってる坊やなんて相手にするんじゃないよ」

フランさんは冷静に船員さんを止めました。

「だ、誰がビビってるっていうんだ!」

「隠しても無駄だよ。アタシがこれまで倒して来た海賊もみんなあんたと同じ目をしていたよ」

フランさんは不敵な笑みを浮かべて言いました。

「そいつは異世界人だからな。話を聞いてないと怖がるのは無理もない」

イドルさんは金田さんに一応のフォローを入れました。


「へえ。その割には2人は落ち着いてるね」

フランさんは私と沙夜ちゃんを横目で見ながら言いました。

「今は仲間でしょ。いちいち気を張ってても仕方ないわ」

沙夜ちゃんは軽い口調で答えました。

「戦国時代の村上水軍みたいなものですからね。航路を教えてくれるなら悪い人ではないでしょう」

私はフランさんに自分なりの言葉で説明しました。

「道案内する海賊って異世界にもいるんだね」

「昔の話だけどね。あたしの世界でもまだ海賊はいるけどロマンなんて欠片もないわ」

沙夜ちゃんは遠い目をして言いました。

「じゃあいずれ見せてやるよ。多分絶海鋼竜を相手にする時はアタシも出るだろうしね」

海の七魔将は海竜ですか…。名前からして手強そうですね。

「紅雪がドラゴンキラーになればいずれ戦うことになりそうね。そのメタルシードラゴンと」

沙夜ちゃんはそう言って笑いました。

「ドラゴンキラーか…。案外すぐになるかもしれないな」

イドルさんは意味深なことを言いました。


「あの、どういう」

「課長。お仕事の引き継ぎ事項の用紙、確かに皆さんに渡して来ました」

港にやって来たルーシーさんがイドルさんに話し掛けました。

「ご苦労。おれがいない間みんなの仕事の管理を頼む」

イドルさんはそう言って頭を下げました。

「おまかせ下さい、課長。魔王討伐頑張って下さいね」

ルーシーさんは震えた手でイドルさんの手を握り締めました。

「心配するな。おれたちは1人を除いてみんな強い。人事を尽くせば倒せない敵なんていない」

イドルさんは安心させるように手を重ねました。

「相変わらず女に甘いねえ。そんなんだから女たらしとか言われるんだよ」

フランさんは呆れたように言いました。

「別におれは区別してるつもりはないぞ。たまたま女が困ってる所に出くわすだけだ」

イドルさんはうんざりしたように返しました。よく言われてるんでしょうか?


「キャプテン!準備が出来ましたぜ!いつでも出航できます!」

フランさんの所に船員さんがやって来ました。

「そうかい。じゃ船に案内するよ」

フランさんはそう言って沢山の船を通り過ぎて行きました。

「これがアタシの船、ゴルド・ハイデン号だ」

フランさんの船はとても立派な帆船でした。何門もの砲台が積まれており、とても強そうです。マストには当然海賊旗がはためいています。

「まさか海賊船に乗る時が来るなんてね。異世界様々だわ」

沙夜ちゃんは船を見上げながら言いました。

「はい。何だかロマンを感じます」

私も思わず胸が高鳴ります。略奪はしたくないですが何となく海賊船に乗ってみたい気持ちはありました。

「そう言ってもらえるとうれしいよ。みんな乗りな!」

フランさんの言葉でみんな船に乗り込みました。


「勇者パーティーのみんな、全員いるかい?念のため点呼をとるよ。まずヒカリから行ってもらおうか」

フランさんは私に目を向けました。

「はい。1!」

私は少し緊張しながら声を出しました。少し震えていたかもしれませんね。

「2」

沙夜ちゃんは凛とした声で言いました。

「3!!」

エリザさんは大きく声を張り上げました。

「4」

チェリルちゃんは落ち着いた声で応えました。

「5」

ロベリアさんは優雅に言いました。

「6」

イドルさんは静かな声で言いました。

「7ー!」

ミアーラさんは元気よく言いました。

「何でぼくが最後なんだ…。8」

金田さんはブツブツ言いながら応えました。

「それじゃ出航するよ。碇を上げな、野郎ども!」

フランさんはカットラスを振り上げて宣言しました。

『アイアイマム!』

海賊さんたちの声が響く中、ゴルド・ハイデン号は波を立てて出航しました。

「がんばれ!勇者様方!」

「必ず魔王を倒して下さい!」

見送りに来た人たちの声を背に受け、私たちは大海原への航海を開始しました。

出航の描写がこれでいいのか自信ありません。

次は海戦が出来たらいいです。

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