状況整理
「残る七魔将は三体ですか…。どこから手をつけたらいいんでしょう?」
ヒカリは地図を見ながら言った。
「ここは絶海鋼竜を倒してからヤマトの剣神龍を倒すのが無難だろう。ヤマトは島国で通り道にあるから合理的なルートだ」
ロベリアは地図に印をつけながら言った。
「妥当な意見ではありますが…。攻めてる間に邪神教の魔の手が攻めないとも限らないであります」
エリザが真剣な顔で言った。
「今の所その心配はないわ。邪神教で魔王軍に従ってるのは七魔将の邪悪司教ゼビエレク一派だけだもの。トップの邪聖女と邪教皇は抵抗を続けてるそうよ」
サヤはMephoneをいじりながら唐突にそんなことを言った。
「なぜそんなことがわかる?」
「だって邪聖女が配信してるんだもの。監禁されてる場所から」
ヒカリはMephoneを操作して壁に動画を映し出した。
『おはじゃし!邪神教の邪聖女、クレアちゃんだよ。今日も邪神教の現状をガンガン話しちゃうよ!』
画面には黒と白のメッシュの髪をした魔族の少女がいた。
「…え?この配信してる人が邪聖女なんですか?本当に?」
いち早く状況を察したヒカリがサヤに尋ねた。
「少なくとも邪神教の総本山から配信してるのは間違いないわ。配信してる場所に超小型ドローンを送り込んで配信通り教団幹部らしき人達が連日言い争いしてるのも確認出来た。配信してるのが邪聖女本人かはともかくとして邪神教が一枚岩じゃないのは確かだと思うわ」
サヤはしれっとすごいことを言った。
「ちなみにこれが配信されてる場所の座標よ。周辺地域のマッピングも済ませてるからかなり正確なはずだわ」
サヤが映し出した地図には見覚えのない地形が記されてた。おそらく地上ではない別の場所だろう。
「確かにこれは邪神教の総本山があるイビルーマ邪国じゃな。地図で見たことがある」
「うむ。間違いなく邪国だ」
魔界出身のメルとヒルデが言うからにはイビルーマとかいう国で間違いないだろう。ここで嘘をつく理由もないしな。
「そうだとしてなぜ対勇者は配信を止めないんですの?対勇者もMephoneを持ってるなら配信を見ることは出来るはずですわ」
チェリルは腑に落ちないという顔をした。
「そこまでは分からないわ。金田に関係ないから放置してるのか、それとも何か別の思惑があるのか。確かなのは配信出来るってことは現時点ではまだ邪神教が完全に魔王軍に支配されてるわけじゃないってことだけね。だから今の所光神教が邪神教に狙われるか心配する必要はないわ。あくまで今の所はだけどね」
サヤは淡々とした口調で説明した。
「…わかった。ひとまず海にあるバルミューダトライアングルに潜む絶海鋼竜を倒すことにしよう」
ひとまず方針は決まった。後は臨機応変に動くしかないだろう。
何か急に設定が生えて来ました。これから話を進める中で詰めていきたいです。