雪の女王
「あなた方が勇者パーティーですね。ようこそおいで下さいました…」
おれたちを出迎えた雪の女王は弱々しい口調で言った。
「はい。勇者の光です。…それはそうと雪の女王様、体調大丈夫ですか?顔が青白いですよ」
ヒカリは心配そうに言った。
「顔色は元からです…。まあ少々力を使い過ぎているのは事実ですけどね」
雪の女王はそう言って苦笑いした。
「どうにか天候爵を倒さないといけませんね。…でもどこにいるんでしょう」
ヒカリは難しい顔をして頭をひねった。
「天候魔法が出る高さからして隣のクウラ山の頂上にいるのは確かだと思います。でも飛んで行った所で落とされそうですね」
雪の女王は難しい顔をした。
「行った所で見つけられるかもわからないしな。見つけるのは困難だろう」
一体どうしたら天候爵の所にたどり着けるんだろうな。行くとしてもだいぶ時間がかかりそうだ。
「お疲れでしょうから少し休んで下さい。少々寒いですが、体力は回復出来るでしょう」
雪の女王はそう言って微笑んだ。
「すぐお食事も用意しますね。フロスト、客間に案内しなさい」
雪の女王が近くにいた雪だるまを呼んだ。見分けはつかないがあれがフロストなんだろう。
「はっ。皆さんついてきて下さい」
フロストはおれたちについてくるよう促した。
「せっかくの厚意を無にするのはよくないですね。お言葉に甘えましょう」
フロストの後をヒカリはついて行った。おれたちもヒカリに続いて行った。
「ここが客間です。どうぞおくつろぎ下さい」
通された客間は意外にも暖かかった。家具全部氷だからもっと冷たいと思ってたんだが。
「案外冷たくないわね。溶けてもないから濡れる心配もなさそうだわ」
サヤは机と椅子を触ってから腰かけた。
「女王様は氷の性質を変えることが出来るんです。試しにこのシャーベットを食べてみて下さい」
フロストはそう言ってオレンジのシャーベットを差し出した。
「わあ…。何だか体が温まってきました。本当に不思議ですね」
ヒカリはそう言って息を吐いた。
「確かに体が温かくなるな。そういう術式が込められているんだろう」
「わたくしの植物と同じですわね。雪の女王様は相当魔法について造詣が深いんですのね」
チェリルは感心しながら言った。
「私からすれば人間にそのような知識があるのが驚きです。まさか我々精霊並みの魔法知識があるとは」
フロストは驚きの表情を浮かべた。
「精霊なのねあんたら。ただの喋る雪だるまだと思ってたわ」
「あはは。まあこんな見た目だから精霊には見えないよね」
一緒に来ていたラオフは笑いながら言った。
「それでもただの雪だるまは喋らないと思いますけどね」
ヒカリはボソリとツッコんだ。
どこで切ればいいかわかりませんでした。次どうなるかは未定です。