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構陣師  作者: ゲラート
第5章 天候爵の大災害
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列車

「これが列車でありますか…。思ったより長いでありますな!」

エリザは列車を見ながら言った。

「わたくしも初めて見ましたわ。ですが飛行機よりは安心できますわね」

チェリルは車輪が付いているのを見てほっとしながら言った。

「私は何度か乗ったことがあるぞ。護衛に囲まれて窮屈だったがな」

ロベリアは遠い目をして言った。外交で飛び回ってた頃のことを思い出してるのかもしれない。


「予想はしてたけど蒸気機関車なのね。リアルで乗ることなんてないと思ってたわ」

「観光地でしか乗ることないですもんね。ほとんどの所は電車ですし」

サヤとヒカリは物珍しげに列車を見ていた。

「電車ということは電気で動くのか」

「ええ。基本的に外部から電気を集めることで動いているわ」

つまり世界中に電気が通っているというわけか。興味深いな。


「所で乗る列車はどれなのじゃ?」 

棺を背中に背負ったメルが聞いてきた。

「チカゲにもらった切符によると…。あれだな」

おれは切符に書いてある『ポーラ』という名前の列車を指差した。

「かなり贅沢ですね。食堂車がある列車に乗るのは初めてです」

ヒカリは指定された車両に向かいながら言った。

「学生が乗ることはまずないでしょうね。親が旅行好きなら別でしょうけど」

サヤは歩きながらヒカリに返した。


「着いたぞ。ここだ」 

おれたちが来た車両には個室が並んでいた。

「すごいでありますね。まるでホテルのようであります」

「チカゲ様いい部屋をとって下さったんですのね。さすがにわかりますわ」

エリザとチェリルは部屋を見て驚きの声を上げた。

「このポーラは我が国が誇る最高級の夜行列車だからな。極寒のフリザイスへの旅も快適に行けるというわけだ」

ロベリアは胸を張って言った。


「ふん。蒸気機関車なんかより新幹線乗った方が早く着くじゃないか。何で長い間乗らないといけないんだ」

カネダは不満を言った。

「風情があるからいいじゃない。役に立たないお荷物のくせに水差さないで欲しいわ」

サヤは冷たい目でカネダを毒づいた。

「だ、誰がお「もういいからひとまず部屋に荷物をおかせてくれぬか。この棺割と重いのじゃ」

棺を背負ったメルが言った。

「だったら最初から空間魔法に入れておいたらどうだ?」

「何を言う。それではいざという時すぐに眠れぬではないか!」

メルは逆ギレしながら言った。


「はあ。とりあえず個室に入るか。そろそろ出発時間だしな」

おれはみんなを促した。

「何も起こらないといいわね」

サヤは不安を煽った。

「確かに色々事件の舞台にはなってますが…。天候爵もここでは仕掛けてこないでしょう」

ヒカリはツッコミを入れながら、切符に記されてある個室に入った。

さすがに大事件を起こす気はないです。乗客との絡みくらいは出来そうですけどね。

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