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構陣師  作者: ゲラート
第4章 ファラオの呪い
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シルバーバレット

「くっ。数が多すぎてどれを潰せばいいかわかりませんわ」

チェリルは忌々しげに分身したツタンクアテムとカノプスキメラをにらんだ。

「だが分身体は特効武器や魔法を食らわせればすぐ消えるようだ。一度に全て消して大ダメージを与えれば勝てるかもしれないぞ」

リリエンヌはメイスを構えながら分析した。

「うーん。私はそこまで広範囲に攻撃出来ませんし…。リリエンヌさんに消してもらうしかなさそうですね」

「私は鎖が届く範囲の敵しか倒せませんからね。他に何とか出来る武器があるんでしょうか?」

ジェシカはそう言って頭をひねった。

「あるぞ。とっておきの切り札がな」

おれは全員に作戦を説明した。


「ふっ。無駄な足掻きだ。これだけの数のおれに勝てるか!」

ツタンクアテムたちは一斉にカードを使った。

「ふん。そんなの読めれば対処出来るわ!」

メルはそう言って胸を張った。いつまでその演技続ける気だ?

『まあ対処出来るが』

おれは相手が出したカードを冷静に潰した。


「ふっ。ならこれはどうだ」

今度はカノプスキメラを金の武器で強化し出した。

「自分が使えないからカノプスキメラの強化に回して来たか。面倒だな」

ロベリアは金の剣を受け止めながら言った。

「強化した所で変わらん。メルそろそろいいぞ」

「了解じゃ。ナスティパルス!」

メルが指示を出すと、上空を飛び回っていたコウモリが一斉に超音波を飛ばした。

「ぐっ。うぅ」

超音波を食らったツタンクアテムたちが苦しみました。

「グギャアアア!」

ついでにカノプスキメラまで苦しんでいる。正直効くとは思ってなかった。


「くっ。こんな物足止めにしか…」

「足止めだけでも十分よ。ロックオン完了したわ、エリザ」

サヤはMephoneに接続された巨大な銃器を持つエリザに指示を出した。

「了解であります。クリムゾン・シルバー・デス・バースト・オブ・ジ・エンド!」

エリザがオーラを込めて引き金を引くと、砲門が開き大量のアンデッド特効持ちの銀の弾がツタンクアテムとカノプスキメラと周りのアンデッドを襲った。

「ぐ、ぐわあああ!」

ツタンクアテムたちはカードを使う間もなく銀の弾の雨で消滅して行った。

「追撃だ。ホーリー・カスタトロフ!」

更に追い討ちをかけるようにリリエンヌが光の玉を出した。光の玉は回転しながら凄まじい破壊力の光線をアンデッドに降らせた。

「ギャオオオン!」

カノプスキメラの断末魔の叫びが辺りに響き渡る相当ダメージを受けているようだ。


「ぐっ。まだだ。まだ終わらないぜ…」 

ツタンクアテムは地面に落ちた散らばったカードに手を伸ばした。

「あ、あいつまだ」

エリザがすかさず換装でガトリングを出した時、小さな影がツタンクアテムの方に向かって行った。


ーーー


ツタンクアテムがカードを拾おうとした時、いつの間にか私の体は走り出していました。

「ぐ、グワァ」

そんなツタンクアテムの前にカノプスキメラが立ちはだかりました。

「い、いいぞ。このまま時間を稼げ」

ツタンクアテムは震える手でカードを拾いました。

「ま、間に合わない。何か出来る技は…」

とっさに紅雪の鐔のリングに触れると、2つのスキルが浮かび上がりました。

「ある意味ふさわしい技ですね。行きますよ、紅雪」

私は紅雪を後ろに構えました。


「食らえ。キメラ・ストリーム!」 

ツタンクアテムがカードを入れると、カノプスキメラの胴体の口が開き、ブレスを放ちました。

「獣王螺旋機光!」

私は対抗して紅雪から螺旋状の光を纏ったレーザーを放ちました。

「グ、グオオォォ!」

「はあああ!」

私は左手から光の波動を出して加速しました。その勢いでどんどん押して行きます。

「ぐ、グワアア!」

獣王螺旋機光はキメラ・ストリームを打ち破り、カノプスキメラの胴体を貫通してツタンクアテムに向かっていきました。

「ば、バカな!このおれがやつらの技なんかにぃいい!」

獣王螺旋機光がツタンクアテムの心臓をとらえると、カノプスキメラの体はバラバラに崩れ落ちました。

特効持ちの銃弾はもっと早く出すべきだったかもしれません。まあエリザの特効武器が剣だけだと思わせた方が警戒されにくいですし、機械のことを知っているツタンクアテムに見せると真っ先に潰される恐れがあるから今まで使わなかったことにしておいて下さい。

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