逆転
「フン。このターンで葬り去ってやる。バトル!」
キノコ頭の人が宣言した時、マニャちゃんが手のひらをつきだしました。
「おっと。その前にこれを発動させてもらう。リバースオープン!現冥の逆転!」
マニャちゃんは戦士と骸骨が描かれているカードを発動しました。
「このカードはライフを1000払うことで、互いのデッキと墓地のカードを入れ替えられるんだ。ま、あたしの墓地に15枚以上ないと発動出来ないんだけどね」
マニャちゃんはキノコ頭の人を見てニヤリと笑いました。
マニャ LP8000→7000
「ウィルスと細菌兵器で削れたわけでありますな。敵の戦力を削ごうとしたのが裏目に出たわけでありますか」
エリザさんは冷静に分析した。
「フン。デッキを削った所で何も変わらん。総攻撃すれば終わりだ!」
キノコ頭の人の言う通りです。守るカードがなければマニャちゃんの負けですね。
「慌てるなって。まだ今墓地に送られたカードの処理が残ってるんだから。ちなみにあんたは今発動出来るカードある?」
「…ぐっ。ない」
マニャちゃんの質問にキノコ頭の人は歯を食い縛りました。
「じゃあこれとこれを発動するよ。まずはケプリの効果だ。互いのデッキの上から5枚墓地に送る」
「ぐっ。デッキがなくなっただと…」
キノコ頭の人は悔しそうに残ったカードを墓地に送りました。
「次にイシスの効果。互いにカードを2枚引く」
「な、なん…だと…」
マニャちゃんの言葉にキノコ頭の人は立ち尽くしました。
「…もしかしてデッキを引けなくなったら負けなんですか?」
リリエンヌさんが核心をついた質問をしました。
「そういうことだ。さ、早くドローしろよ」
マニャちゃんはカードを2枚引いて、キノコ頭の人を促しました。
「お、おのれぇ!」
キノコ頭の人が空のデッキからカードを引く動作をした瞬間、キノコ頭の人の負けが宣告されました。
「くっ。まさかこのおれが敗れるとはな」
キノコ頭の人は悔しそうにジュエラルディスクからカードを出しました。
「あんたが意外と慎重じゃなかったらやばかったけどね。キーカードだけあってもどうにもならなかったしな」
マニャちゃんは現冥の逆転を見ながら言いました。
「だいぶエグい戦術でしたね…。おかげであんな絶体絶命の状況でも勝てましたけど」
「それがジュエラルというものだ。敗者に語る言葉などない」
キノコ頭の人はそう言って私にデッキを投げてきました。私は反射的にキャッチしました。
「これは彼女と同じ髪と瞳の貴様に託す」
キノコ頭の人は私に言った後マニャちゃんに視線を向けました。
「本当にいいジュエラルだった。貴様が冥界に来た時は絶対に負けんぞ」
そういうキノコ頭の人の体はだんだん透けていきました。
「はっ。あたしも負ける気はない。返り討ちにしてやるよ」
マニャちゃんの言葉にキノコ頭の人は満足げに笑いました。
「フン。さっさとおれの屍を越えて先に進むがいい。おれ以外に負けることは許さんぞ。ワーハッハッハ!」
キノコ頭の人は高笑いと共に消えていきました。
「さ、最後まで偉そうな人でしたね」
リリエンヌさんはポツリと呟きました。
「それだけ自分のジュエラルに誇りがあったのでありましょう。よくわかりませんが」
エリザさんはしみじみと言いました。
「…このデッキどうしましょう。反射的に受け取ってしまいましたが」
私はデッキケースを見て呆然とするしかありませんでした。
「せっかく託されたんだから持っててやれよ。使うかはわからないけどな」
マニャちゃんは軽い口調で言いました。
「…そうですね」
私はデッキを空間魔法に入れて、前に進むことにしました。
今のところ光のジュエラルの予定はありません。