表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
構陣師  作者: ゲラート
第4章 ファラオの呪い
140/185

吸血姫メル

「んぅ。…な、何者だお主ら!魔王軍の手先か?!」

ヴァンパイアはおれに手を向けた。

「な、何も出せん!一体何をしたのじゃ?!」

ヴァンパイアは取り乱して叫んだ。

「落ち着け。単に契約魔法でおれに危害を加えられないようにしているだけだ」

おれはヴァンパイアに説明した。


「契約じゃと?!有り得ぬ!人間風情が妾を強制的に契約で縛れるわけなかろう!」

ヴァンパイアは牙を剥き出して吠えた。

「信じられなくてもそれが事実です。首筋を見て下さい」

ジェシカはそう言って鏡をヴァンパイアに投げた。それと同時におれは契約紋を光らせた。

「…くっ。一体妾に何をするつもりじゃ!この外道!」

ヴァンパイアは歯をくいしばりながらおれをにらみつけてきた。

「覚悟した方がいいですよ。その人はかなりの変態ですから」

ジェシカは悪どい笑みを浮かべながら言った。

「ぐぬぬ…。覚えておれよ。我が体は汚せても誇りまで汚せると思うな!」

ヴァンパイアは唇を噛み締めながら言った。


「茶番はもういい。冷静になって今までの状況を思い出してみろ」

おれはヴァンパイアを諭した。そろそろめんどくさくなってきたからだ。

「今までの状況か…。魔王軍に捕らえられて魔眼を使われて…。その後の記憶がまるでないぞ」

ヴァンパイアは頭をひねりながら言った。

「ピラミッドに来た記憶どころか魔物球に入れられた記憶すらないのか。君はこれから出てきたんだが」

おれは拾っておいた魔物球を見せた。

「知らん。大方意識がないうちに閉じ込められたのじゃろう」

ヴァンパイアは忌々しげに魔物球を見た。


「…何にせよ洗脳から解放されたのはお主のおかげのようじゃな。礼を言っておく。…それと恩人にいきなり襲いかかろうとして悪かったのじゃ」

ヴァンパイアは少し気まずそうに言った。

「勝手に契約して従わせる鬼畜に謝る必要はないですよ。操られてる時に私の武器を壊したことについては土下座してもらいますが」

ジェシカはこれ見よがしにちぎれた鎖を見せた。

「やめてやれ。おれが直してやるから」

おれは錬金魔法でちぎれた鎖同士を繋げた。

「ありがとうございます。…チッ。ヴァンパイアをもっと責め立てたかったのに」

ジェシカは礼を言いつつ不穏なことを言った。


「ふむ。やたら風当たりが悪いな。意識がない時に相当暴れてしまったのが原因かのう?」

ヴァンパイアはばつが悪そうな顔をした。 

「そう気に病むな。どのみち真祖という時点で初対面の印象は最悪なのに変わりはない。…そういえば自己紹介がまだだったな。おれはイドル。魔法使いだ。そしてそっちの教会騎士はジェシカ。よろしく」

おれはヴァンパイアに自己紹介した。

「本来はよろしくすることなどありませんが…。『構陣師』様の眷属である限りは最低限の対応はしましょう」

ジェシカは冷たい目でヴァンパイアを見た。


「こちらも名乗らねば礼を失するじゃろうな。妾はメル。吸血鬼の真祖じゃ。…あのような宣言をされてすぐ言うのもなんじゃが、契約を解除してもらうわけにはいかんかのう?」

メルは遠慮がちに言った。

「悪いが仲間と合流してピラミッドを抜けるまでは契約解除は出来ない。今解放して分断された仲間と戦闘になっても面倒だしな。煩わしいだろうがツタンクアテムを倒すまで我慢してくれ」

おれはメルを諭した。

「…仕方ないか。ではしばしよろしくな。主どの」

メルはそう言って手を差し出した。

「ああ。よろしく」

握ったメルの手はヴァンパイアだからなのか異様に冷たかった。

ほぼほぼ自己紹介で終わってしまいました。次どうするかは未定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ