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構陣師  作者: ゲラート
第4章 ファラオの呪い
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迷宮突破

「くっ。まだだ!扉を開けるとは言ったが通すとは言っていない!」

「こうなったら力ずくで止めてやる!門番の力をとくと見よ!」

迷宮兄弟はそう言って体を肥大化させました。

「そう来なくては面白くないであります。行くでありますよ、ヒカリ殿」

エリザさんはそう言って構えました。

「はい。リリエンヌさん、援護とマニャちゃんを頼みます」

私はリリエンヌさんに声を掛けました。

「任せて下さい。皆さんには指一本触れさせません」

リリエンヌさんはそう言って腕を胸の前でクロスさせました。


「ふん。行くぞ。はあああ!」

大声を上げながら迷の方の人が殴りかかって来ました。

「とっ」

私はパンチを避けて右腕を切りつけました。

「甘い!」

しかし宮の方の人が風で防ぎました。

「隙あり!」

今度はエリザさんが宮の人が水を出して防ぎました。連携がすごいですね。


「風に水…。ヒューガオブウィンドとスーガオブウォーターの力だな。門番ならライジンの雷も使うかもな。2人しかいないけど」

マニャちゃんが何か呟きました。

「何でライジンだけ浮いてるんですか?」

リリエンヌさんはマニャちゃんに尋ねました。

「さあ?正直あたしにもよくわかんねえよ」

マニャちゃんはそう言って肩をすくめました。


「くっ。すごい連携でありますな。呼吸が合っているであります」

エリザさんは苛立たしげに言いました。

「当然だ。我らは生まれた時から一蓮托生だからな」

「最ももう肉体は死んでいるがな。ハーハッハッ!」

迷宮兄弟は高笑いを上げて殴りかかって来ました。

「即席のコンビネーションでは分が悪いですね。どうにか分断して各個撃破出来ればいいんですが」

私はパンチを避けながら歯噛みしました。


「なら分断しますね。ホーリーサンクチュアリ」

リリエンヌさんが宣言すると同時に迷宮兄弟の中間の位置に魔法陣が出現しました。そして魔法陣を中心に結界が広がりました。

「「ぐわっ?!」」

迷宮兄弟は声を上げて吹き飛びました。

「この結界は邪悪な物だけを拒みます。今なら追撃出来ますよ」

リリエンヌさんはそう言ってニヤリと笑いました。

「了解であります。クリムゾンスラッシュ!」

「白峰影月流、閃月」

すかさずエリザさんが迷の人、私は宮の人を切りつけました。

「「ぐはあっ!」」

迷宮兄弟の体は真っ二つになって倒れ込みました。


「ぐぬぬ。体が再生しない…」

「特効武器を使うとは卑怯だぞ!」

迷宮兄弟はそう言って拳を地面に叩きつけました。

「対策するのは当然でありますよ。トドメをささせてもらうであります」

エリザさんはそう言って構えました。

「フン。これで終わりではないぞ!」

「我らの真の姿を見せてやる!」

そう叫ぶと迷宮兄弟の体が輝きました。

「えっと、合体前にやるのっていいんでしょうか?」

「言ってる場合ですか。ホーリーアロー」

リリエンヌさんは冷静に迷の人の方に光の矢を放ちました。アンデッドには容赦ないですね。

「ふん。甘いわ!」

迷の人の体は光に包まれて宮の人の所に重なりました。そして光がその場を包み込みました。


「「ハーハッハッハ!この姿を見せるのは貴様らが最初で最後だ。光栄に思うんだな!」」

そう高笑いを上げる迷宮兄弟の体は背中合わせにくっついていました。

「両面宿儺ですか。まさか特級呪霊が出てくるなんて…」

「…何の話でありますか?」

エリザさんは呆れた目で私を見ました。

「すみません。沙夜ちゃんがうつりました」

私は気を取り直して迷宮兄弟に意識を集中しました。


「ふははは!これで死角はなくなったぞ!」

「更にスピードも手数も2倍だ!」

「「もはや負ける要素はない!行くぞ!」」

そう言って迷宮兄弟は拳を振り上げて走って来ました。確かにスピードは上がってますね。

「残念ですがまだ遅いです」

私は紅雪を抜き放ち、上から振り下ろしました。

「白峰鏡月流、光旋嵐割月」

私が紅雪を鞘に納めると迷宮兄弟は左右に真っ二つに別れました。

「「ぐわあああ!」」

迷宮兄弟は断末魔の叫びを上げて灰になりました。


「ふう。領域を展開出来る方だったら危なかったです」

「だから何の話でありますか…」

エリザさんは呆れた目をしながら剣を鞘に納めました。

「何にせよやっと迷宮を抜けられますね。先を急ぎましょう」

リリエンヌさんは私たちを促しました。

「そうですね。早くみんなと合流しましょう」

私たちは決意を新たにして迷宮の外に出ました。

気がついたら合体して変なことになりました。多分指を食べても何の意味もないと思います。

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