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構陣師  作者: ゲラート
第4章 ファラオの呪い
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門番の問

「「では問題だ。この2つの扉のうち、どちらが正解の扉かを答えよ!」」

迷宮兄弟はそう宣言しました。

「正解の扉はこの迷の扉だ」

「いやいや、この宮の扉だ」

迷宮兄弟はそれぞれの後ろの扉を指差しました。

「我らのどちらかは嘘を言い」

「どちらかは真実を語る」

「「お前らには一度だけ質問を許可する。どちらの扉が正解か当てたら扉を開けてやろう!」」

迷宮兄弟はそう言って腕を組みました。


「1つだけ質問でありますか。…何だか天界と魔界の問題に似ていますな」

エリザさんはあごに手を当てながら言いました。

「何だよそれ?」

マニャちゃんはよくわからないという顔をしました。

「人間に化けた正直者の天使と嘘つきの悪魔が出てくるクイズです。天界と魔界どちらかに繋がる道があり、1つだけ質問して天界への道を当てるんです」

リリエンヌさんはマニャちゃんに説明しました。

「要するに墓守の村と盗賊の村みたいなものか。他の国にも似た話あるんだな」

マニャちゃんが言う通りですね。私も正直村と嘘つき村のクイズなら知ってます。


「そういうことなら質問は決まりでありますな!」

エリザさんは自信を持って言いました。

「貴殿らが守る扉はどちらでありますか?」

エリザさんの質問ならどっちが嘘つきでも答えが同じになるはずです。正直者なら自分が守る扉を答えるはずですし、嘘つきなら自分が守る方とは反対の扉を答えるはずです。

「「……」」

案の定エリザさんの質問に2人とも迷の扉を指差しました。


「どうでありますか!答えは迷の扉で決まりでしょう」

エリザさんは胸を張って勝利宣言しました。

「そうですね。どっちも同じなら間違いないです」

「似た問題知っててよかったですね」

私はリリエンヌさんと喜びを分かち合いました。


「ちょっと待てよ。そううまくないかもしれないぞ」

浮かれる私たちの中でマニャちゃんだけは冷静でした。

「なぜですか?どちらかが正直者ならーーー」

「問題をよく思い出してみろよ。このハゲのおっさんたち指差しただけだぞ。口に出してないなら正解を教える必要もないよな?」

マニャちゃんは冷静にすごい理屈を叩きつけました。

「だ、誰がおっさんだ!小娘が!」

「だ、大体そんな子供のようなこと言うはずがないだろう!」

迷宮兄弟は明らかに動揺しています。どうやら図星だったようですね。


「つまり迷と宮の扉のどちらかが正解ということしかわからないということですか。振り出しに戻りましたね」

リリエンヌさんはうんざりしたような顔をしました。

「一体どうしたらいいんでしょう…」

迷宮の出口は未だに見えないままでした。

さすがにそのまま過ぎましたね。次で迷宮を抜ける予定です。

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