迷宮の門番
「グオォォオ!」
マニャちゃんに案内されて迷路を進んでいると壁からゾンビが飛び出て来ました。
「白峰影月流、光旋嵐閃月」
私は出てきゾンビを切り裂きました。
「グワァァ!」
ゾンビは断末魔の叫びを上げて消滅しました。
「…いつの間にか特効ついてますね。デスタウロスには血はないのにどうしてでしょう?」
私は紅雪のスキルを確かめてみました。光属性を付与してないのにあんなことになりましたしね。
「リビングウェポンは成長すると言います。だから血以外からもスキルを取り込めるようになったのではないでしょうか」
エリザさんは冷静に分析しました。
「意味わからないな。呪われてるんじゃないのその剣?」
マニャちゃんは紅雪を怪訝な目で見ながら呟きました。
「相当危険な武器なのは否定出来ません。それでも一緒に死線を越えてきた大事な相棒なんです」
私が紅雪の刃を撫でると紅雪は白い糸を伸ばしてきました。
「ふーん。ま、納得してるんならいいか」
マニャちゃんは前に向き直り、迷宮の案内に戻りました。
「カタカタカタ…」
それからしばらく歩いていると地面から大きなスケルトンが出てきました。
「ハイヒール」
すかさずリリエンヌさんがスケルトンの頭をヒールしました。スケルトンの頭は消滅し、それと同時に骨がバラバラになりました。
「見たことないのばかりいやがる…。どれだけアンデット連れて来てんだよ」
マニャちゃんはドン引きしながら言いました。
「ツタンクアテムは七魔将であります。自分を守るために力を使うのも当然でありましょう」
エリザさんはマニャちゃんに言いました。
「守るくらいなら儀式なんてやらずに攻めればいいだろ。はっきり言ってアイシスの軍なんて大したことないぞ。これだけアンデットがいれば楽勝だろ」
マニャちゃんははっきりと失礼なことを言いました。
「確かにアイシスだけならどうにでもなるでしょうな。ですがアイシスを狙えば勇者パーティーが動く可能性が高くなるであります。勇者パーティーに対抗するために儀式に頼るのは合理的でしょう」
エリザさんはマニャちゃんに反論しました。
「それでも結局儀式を狙ったことがバレて勇者に目をつけられ、聖女の私まで呼び寄せてしまいました。やはり神は見ているのですね」
リリエンヌさんは目を閉じて祈りを捧げました。
「説得力ある…のか?まあいいや。先を急ぐぞ」
マニャちゃんはそう言って迷路を進んで行きました。
「よし。そろそろ出口だ」
マニャちゃんが言う所を曲がると光が見えてきました。
「これでやっと抜けられますね」
「そうでありますな。長かったであります」
私たちが喜び勇んで光の中に踏み出すと、2つの門がありました。
「「ワハハハ!よくぞここまでたどり着いたな!」」
それぞれの門の前にいるツルツル頭の人たちが高笑いを上げました。
「だ、誰だお前ら!」
マニャちゃんは門の前にいる人たちに怒鳴りました。
「我はラビ」
「我はリンス」
「「人呼んで迷宮兄弟!この迷宮の門番だ!」」
迷宮兄弟と名乗った門番はそう言って決めポーズをとりました。
「2人ってことはまさかタッグジュエラルか?多分出来るのあたししかいないぞ」
マニャちゃんはそう言って懐からジュエラルディスクを取り出しました。
「安心しろ。我らに弱者をいたぶる趣味はない」
「ド素人を相手に勝った所でつまらないからな」
迷宮兄弟はそう言ってニヤリと笑いました。
「我らが試すのは純粋な知力」
「我らの問に答えられればここから出してやろう!」
迷宮兄弟はそう言って私たちに指をつきつけました。
なぜかグールズじゃないのに出てきてしまいました。迷宮に引っ張られ過ぎたのかもしれません。