迷宮
私たちが歩いていると、別れ道が出てきました。
「別れ道ですね。どの道が正解なんでしょう?」
リリエンヌさんが不安そうに言いました。
「わからないならこうして見るであります!」
エリザさんは自信満々に空間魔法から棒を出して倒しました。棒は右に倒れました。
「適当ですね。でも判断材料もないですしとりあえず進みましょう」
私たちは右に進むことにしました。
右に進むと今度は3本の道が出てきました。
「道が増えましたね…。まるで迷路みたいです」
リリエンヌさんは不安そうに言いました。
「面倒でありますな。こうなったら壁を壊しましょう」
エリザさんはそう言って剣を巨大なハンマーに変換しました。
「待って下さい。ピラミッドを壊したら賠償しないといけなくなるかもしれません」
私はエリザさんを止めました。
「緊急事態なのでやむを得ないであります。クリムゾンスマッシュ!」
エリザさんは赤いオーラを纏ったハンマーを思いきり壁に叩きつけました。
「なっ、無傷?!…う、腕が痺れたであります」
エリザさんはハンマーを置いて手をフーフー吹きました。
「どうやら強力な結界が張ってあるようですね。壊すのは無理そうです」
リリエンヌさんは結界を軽く叩いて分析しました。
「ならどうにかして抜けるしかありませぬか…」
エリザさんは意気消沈してトボトボ歩き出しました。
あれからしばらく歩いていましたが、全く出口が見つかりません。完全に迷ってしまったようです。
「また行き止まりでありますか。…何だかこの道通った気がするであります」
エリザさんはゲンナリした顔で言いました。
「そうですね。目印のシールがあるから間違いないです…」
リリエンヌさんは疲れ果てた顔で首を振りました。
「何でよりにもよってこのメンバーでこんな所に飛ばされるでありますか…。イドル卿かサヤ殿がいてくれれば楽に突破出来るのに」
エリザさんはかなり落ち込んでいます。正直私も心が折れかけているので気持ちはわかります。
「何か、何か突破口さえあれば…」
私は悔しさで拳を握りしめることしか出来ませんでした。
「モーーーー!」
そんなことを考えていると突然迷路の中に牛の鳴き声が響き渡り、大きな足音が聞こえました。
「今の鳴き声はミノタウロス?…いえ、アンデッドだからデスタウロスでありますか」
エリザさんは顔を上げて言いました。
「この世界でも迷宮と言えばミノタウロスなんですね。何だか何かを追っているような感じです」
私たちは顔を見合わせました。
「はぐれた仲間がいるならいいんですが…。最悪他の誰かが迷い込んだなんてことも…」
リリエンヌさんは青い顔をして言いました。
「どちらにしても放ってはおけませんね。行きましょう!」
私たちは鳴き声と足音を頼りに迷路の中を駆けました。
正直話の動かし方が雑かもしれません。どうにか膠着状態から抜け出せたらいいとは思います。