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構陣師  作者: ゲラート
第4章 ファラオの呪い
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不安なメンバー

転移の呪術の光がおさまると見知らぬ部屋が目に入った。

「ど、どこだここは?!」

一緒に転移に巻き込まれたカネダが騒ぎ出した。

「ピラミッドの中なのは確かですね。…どこのピラミッドなのかはわかりませんが」

一緒に飛ばされたジェシカが不穏なことを言った。


「呪術印を見た限り転移先はツタンクアテムのピラミッド内部限定だったぞ。ピラミッドのどこかはわからないが」

「そうですか。なら進んでいけばツタンクアテムの元にたどり着けますね」

おれが指摘するとジェシカは余裕を持って分析した。

「何でそんなに余裕なんだ!何が来るかわからないんだぞ」

カネダは不安そうに言った。


「『構陣師』様がいれば問題ないです。女癖は悪いですが魔法の腕と頭は確かですから」

ジェシカは平然と毒を吐いた。

「ジェシカがいればアンデッド対策も出来るしな。足手まといがいてもどうにでもなる」

「その通りです。お荷物がいた所で2人でどうにか出来ます」

おれとジェシカはカネダの目をまっすぐ見て戦力外通告をした。

「誰が足手まといでお荷物だ。ぼくは勇者だぞ!」

いつも通りカネダは勇者であるということを主張してきた。 


「はいはい。…勇者といえば『落涙』様はどうしているのでしょう?聖女様と一緒にいた記憶はあるのですが」

ジェシカはそう言って首を傾げた。

「サヤと一緒ならいいが…。あの転移が遠隔操作によるものだとしたら望みは薄そうだな」


ーーー


光がおさまるとあたしはチェリルとロベリアと一緒にどこかの部屋にいた。

「…サヤも一緒か。ツタンクアテムまでの道は楽そうだな」

ロベリアはほっとしたのか息を漏らした。 

「アンデッド特化とは言えませんが戦力的に問題ないですわね。他の人たちはどう分けられたんでしょうか?」

チェリルは心配そうな顔で言った。


「少なくとも光とリリエンヌがイドルと引き離されてるのは確かでしょうね。あの転移は遠隔操作で引き起こされた可能性が高いわ。アンデッド側からしたらアンデッド特化のリリエンヌと、これまでに2体の七魔将を倒した光をツタンクアテムの元にたどり着かせたくないでしょうし」

「その可能性は高いな。…途中で合流出来ればよいのだが」

ロベリアは渋い顔をして言った。


「ピラミッドのどこにいるかもわからない以上望み薄ね。チェリル、木属性ならピラミッドのマップを表示したり出来ないの?」

「…それって木属性の範疇ですの?」

チェリルはわけがわからないという顔をした。

「マンガにあったから言ってみただけよ。とりあえずどうにか光とリリエンヌがツタンクアテムの所に行けることを願いましょ」

まあ何らかのイレギュラーがないと無理だろうけどね。そんなことを思ったけど口には出さなかった。


ーーー

 

「…どうしましょう。沙夜ちゃんとイドルさんと離されてしまいました」

私は思わず頭を抱えてしまいました。

「罠でダメージを受けることはないかもしれませんが…。前に進める気はしないです」

リリエンヌさんも不安そうな顔をしています。

「おそらく敵の狙いも厄介なお二方を進ませないことでありますな。完全にしてやられたであります」

エリザさんは悔しそうに壁を殴りつけました。


「…とりあえず進める所までは行ってみませんか?何もせずツタンクアテムを沙夜ちゃんたちが倒すのを待つだけというのも心苦しいです」

私はエリザさんとリリエンヌさんに意見を出しました。

「賛成であります。じっとしてるのは性に合いません」

エリザさんはそう言って頷きました。

「…確かにここで止まっていてもどうにもなりませんね。先に進みましょう」

リリエンヌさんは顔を上げて部屋の出口を見ました。

「出来れば謎解きや頭を使う仕掛けがなければいいんですけどね」

私は少し不安になりながら部屋から出ました。

メンバー分けだけで終わってしまいました。しばらく視点の切り替わりが多くなりそうです。

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