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構陣師  作者: ゲラート
第4章 ファラオの呪い
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分断

石像の部屋を抜けたおれたちは少し休憩することにした。前衛組の消耗もあるが、おれ自身も石像の部屋を走るのに体力を使ったからだ。

「ふう。疲れましたわ…」

チェリルはそう言ってサボテンの実をみんなに配った。

「ここでもサボテン縛りでありますか。まあ水分補給にもなるしおいしいでありますが」

エリザはサボテンの実を食べながら言った。

「ドラゴンフルーツもありますけどサボテンの仲間なんですか?」

ヒカリはドラゴンフルーツを食べながら尋ねた。

「知らない人も多いですわよね。それ以前にドラゴンフルーツ自体知らない人もいますが」

チェリルはそう言いながら水筒に入れたフルーツジュースを飲んだ。


「おい。そんなに呑気でいいのか!ここは敵地だぞ」

カネダが珍しくまともなことを言った。ただタイミングがあまりよくないが。

「聖女様の結界があるから大丈夫ですよ。並のアンデッドならすぐ浄化出来ますし、侵入者がいればすぐわかります」

ジェシカは淡々と説明した。

「ゴースト系が侵入して来たとしても結界の中に入った時点で影響を受けます。その上私もジェシカも霊視しているので対処出来るから問題ないですよ」 

リリエンヌは安心させるように言った。カネダにまで気を配るなんてさすが聖女だな。


「大体アンデッドなんて怖がってて何になるのよ。元の世界でホラーに遭遇したらビビるけどここはファンタジーな異世界よ。そういうモンスターだと割り切るしかないじゃない」

サヤは軽い口調で言った。

「そ、そうですよね。今の私ならアンデッドも切れるんです。切れるならいくらでもやりようありますよね」

ヒカリはベニユキを握りしめながら言った。ヒカリも意外と脳筋かもしれない。

「切れれば余裕でありますね。自分もイドル卿のゴーストキラーがあるから怖くないであります」

もう1人の脳筋のエリザはゴーストキラーに換装した。アンデッドに対してはベストな選択だな。リリエンヌやジェシカがいて使う機会があるかはわからんが。


「だいぶ疲れもとれてきた。そろそろ先に進もうか」

おれは敷いていたシートから腰を浮かせた。

「襲ってきたアンデッドはいなかったようだな。…逆に不気味な気はするが」

ロベリアは深刻な顔をして呟いた。

「明らかにこっちの状況を見てアンデッドを操作してるやつがいるわね。そもそも石像の部屋の時点でおかしいと思ってたのよ。巡回してるスケルトンがたまたま都合よく何度もあたしたちがいる所に繋がる落とし穴に落ちるわけないでしょ」

おれもサヤと同意見だ。偶然が重なったにしては出来すぎていると思う。

「何にしても罠対策とアンデッド対策が出来ていれば何とでもなりますわ。はぐれることさえなければアンデッドなど恐るるに足りません」

チェリルは自信を持って言い切った。

「…何か嫌なフラグが立った気がするわ」

サヤは真顔で不穏なことを言った。


それからしばらく進むと階段があった。

「資料によるとピラミッドの祭壇は最上階にあるそうだ。普通に考えると階段を上った方が近付けるはずだが…。何かないか心配だな」

ロベリアは懐から取り出した資料を読みながら言った。

「…特に仕掛けはないわね。上っても問題ないはずよ」

「妨害魔法もかかってないようだ。上に何があるかは知らんが現時点では危険はない」

サヤとおれで危険がないか確かめた。

「それなら上りましょうか。その方が目的地に近付きますからね」

ヒカリの言葉に促されておれたちは階段を上った。


階段を上ると床に模様が書かれた廊下があった。

「転移の呪術印か。仕掛けに連動して作動するようだ」

「呪術も読み取れるんですの?!魔法陣の術式と全然違うのにすごいですわ」

おれの解説にチェリルは驚きの声を上げた。

「呪術関連の本があったからついでに勉強したんだ。…どうやら複数の転移先が指定されているようだな。作動したら確実にバラバラになるだろう」

おれは呪術印を読み取った結果をみんなに伝えた。


「…仕掛けがあるのは壁みたいね。壁に手をつかないように注意しないと」

サヤが分析していると突然転移の呪術印が光り出した。

「だ、誰も壁に触れてないのに作動した?!ゴーストですか?」

転移の光に包まれたヒカリが動揺しながら叫んだ。

「何もいなかったですよ!霊視したから間違いありません!」

ヒカリの近くにいるリリエンヌが叫び返した。

「遠隔操作でも作動するのね。一本取られたわ」

無駄に冷静なサヤの言葉と共におれたちは転移した。

少し雑になってしまいました。

次から強制的にチーム分けされます。

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