エグゾディア崩壊
「私のターン、ドロー!」
爬虫類の目の男は勢いよくカードを引いた。
「あ、スタンバイフェイズにツタンクアテムをリリースして魔のウィルス発動」
あたしが発動を宣言するとツタンクアテムがウィルスに蝕まれ、砕け散った。
「なっ?!よ、よくも我が王を!」
爬虫類の目の男はツタンクアテムを見て叫んだ。
「そんなことより自分のことを心配した方がいいわよ」
あたしの言葉とともに左足とさっき引いたエグゾディアが砕け散った。
「私のエグゾディアが!貴様!一体何をした!」
爬虫類の目の男は目を見開いてあたしを見た。
「魔のウィルスは相手の場、手札の攻撃力1500以下のカードを確認して破壊するわ。更に相手ターンで数えて3ターンの間手札に加わった全ての攻撃力1500以下のカードを全て破壊するの」
「そ、それではどうやってもエグゾディアが揃わないではないか!」
爬虫類の目の男はそう言って頭を抱えた。
「しかもあんたのデッキは見た所攻撃力が低くて守備力が高いモンスターが主になってるわ。つまりあんたはこれから6ターン何もモンスターを出せないってわけ」
「ぐ、ぐぬぬ。おのれえ!」
爬虫類の目の男は目を血走らせてあたしを見てきた。
「いくら相手の手を読んでいたと言ってもピンポイント過ぎません?」
光があたしに聞いてきた。
「そうでもないわ。過労死前提の闇属性にウイルス組み込むのは基本だもの。簡単に再利用出来るなら入れない手はないわ」
特にこのウィルスは本家より壊れてるわ。本家はドローにしか対応してないもの。
「で、どうする?そのカードは今は意味がないけど」
「ぐ…。私はこれでターンエンド!」
爬虫類の目の男は悔しそうにターンを受け渡した。
「あたしのターン、ドロー。ハーピーの羽箒発動。相手の魔法罠を破壊するわ」
あたしは念のため伏せカードを掃いた。
「くっ。伏せていた強欲なる瓶2枚発動!2枚ドロー!」
爬虫類の目の男はカードを2枚引いた。当然ウィルスの効果であたしも確認出来るわ。
「砦のゴーレムに左腕ね。ウィルスなければリーチだったのに残念だったわね」
そんなことをいうあたしの目の前で2枚とも消滅した。
「小娘ぇ!どこまでも人をコケにしやがって!」
「あんたアンデッドじゃない。ピラミッドの効果発動。再び蘇れ。ツタンクアテム」
ピラミッドの効果を発動すると地面から棺が出て来た。そしてその中からツタンクアテムが出てくる。
「ツタンクアテムの効果発動。デッキの古代王クレパティを墓地に送り、デッキから千年のパズルを手札に加えるわ」
あたしが効果を発動するとツタンクアテムが魂を糧に逆ピラミッドのパズルを持ってきた。
「墓地の馬頭を除外して効果発動。墓地のアンデットを特殊召喚」
あたしが効果を発動するとツタンクアテムの物より派手な棺が出て来た。
「美貌を誇る古代の女王よ。今こそ眠りより目覚め全てを魅了せよ。蘇れ。古代王クレパティ」
あたしの口上とともに黄金を身に纏ったきれいな女王が棺から出て来た。一応包帯を巻いてるからアンデットなのかしらね。
「うふっ」
古代王クレパティ 攻撃力2000
クレパティは微笑んだ。こうして見るとパトラ女王に似てるわね。
「クレパティの効果発動。あんたの墓地のエグゾディアをあたしの場に特殊召喚するわ」
あたしが効果を使うとエグゾディアの頭だけが出て来た。
封印されしエグゾディア 攻撃力1000
「私のエグゾディアが!よくも奪ってくれたな!」
「あんたも奪ったんでしょうが。あ、奪ってもらったの間違いだったわ」
あたしはとりあえず煽ることにした。
「バトル。ソウルイーターでダイレクトアタック。ソウルチョッパー。最後の手札をもらうわね」
「ぐっ。畜生が!」
レアハンター LP6500→5000
「クレパティでダイレクトアタック。ナイルの魅了。ツタンクアテムでダイレクトアタック。パニッシュメント・ゲーム」
「ぐっ。ま、まさか。私の最強デッキか敗れるだと…。そ、そんなバカなことが…」
レアハンター LP5000→500
「じゃ、トドメはあんたが奪ってもらったカードでさしてあげるわ。エグゾディアでダイレクトアタック」
あたしが指示を出すとエグゾディアの目が光り空高く飛び上がった。
「や、やめろーー!主人の命令が聞けないのか!」
エグゾディアは爬虫類の目の男の言葉を無視して急降下した。
「15枚のパーツの恨み、その身に受けるといいわ。怒りの頭突き-エクゾード・ヘッドバット」
「ぐわあああ!」
レアハンター LP500→-500
爬虫類の目の男が吹っ飛ぶと同時にピラミッドとツタンクアテムたちが消えて行った。
さすがに楽勝過ぎましたね。次は色々後始末をします。