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構陣師  作者: ゲラート
第4章 ファラオの呪い
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ピラミッドの資料

「これがピラミッド関連の資料ですか…」

私は目の前に積み上げられた資料を見て思わず声を上げました。

「ピラミッドは歴代のファラオの墓ですからね。それだけ資料も多くなるわけです」

シャディーンさんが説明してくれました。

「これってツタンクなんちゃらのピラミッドに関する物だけでいいのでありますよね?まさか他のピラミッドについても覚えなきゃいけないなんてことは…」

エリザさんは青ざめた顔でシャディーンさんを見ました。


「心配しなくてもツタンクアテム王の物だけで大丈夫なはずです。祭壇はどのピラミッドにもありますからね。アンデットとしても構造や罠がわからない所に忍び込んでまで儀式をしようとはしないはずです」

シャディーンさんが説明してくれました。

「それならよかったであります。…あれ?ピラミッドに侵入するのが難しいならどうやってピラミッドの中に安置してある古代の王の遺体をアンデッドにしたのでありますか?」

エリザさんが最もな疑問を口にしました。

「おそらくレイスやゴーストのような実体を持たないアンデッドが取りついたのでしょう。罠があっても引っ掛かることはないですからね」

リリエンヌさんが冷静に分析しました。


「恥ずかしながら聖女様がおっしゃる通り悪霊対策が甘かったのは事実です。そのせいで邪悪な霊魂にファラオのミイラを奪われることになってしまいました。取りつかれたツタンクアテム王がアイシス全土に復活を知らせなければもっと多くのファラオがアンデットになっていたことでしょう。霊魂対策をしておかなければ一緒に安置された他のミイラもアンデット化しますからかなりの戦力になったのは間違いないでしょうね」

そう考えると大々的に復活宣言してくれたのはラッキーでしたね。人知れず復活されてたら大変なことになってました。


「ひとまず話はここまでだ。資料を調べよう」

イドルさんに促されたので資料を開いてみると、ヒエログリフのような絵文字と一緒に軽い頭痛が襲って来ました。

「…翻訳魔法が反応するということはこの絵は文字ですわね。これが古代神官文字とやらですの?」

チェリルちゃんは軽く頭を押さえながらシャディーンさんに聞きました。

「いえ、古代の一般的な象形文字です。ピラミッドや遺跡に残ってますね」

「あたしたちの世界のヒエログリフみたいな物ね。結構似てる気がするわ」

沙夜ちゃんは余裕そうです。これが頭脳系スキルの力なんでしょうか?

「ぐわぁああ!頭が!頭が割れるぅ!」

金田さんは資料を見た瞬間叫びました。かなりダメージ受けてるみたいですね。

「くっ。この程度何とも…。ぐう」

エリザさんも頭を押さえています。翻訳魔法の痛みはすごいんですね。


「これは頭脳系スキル持ちや書類仕事に慣れてる者にまかせた方がいいかもな。特にヒカリは教会騎士に武器を魔法で強化する方法を教えてもらった方が有意義かもしれん」

イドルさんは私たちを見ながら言いました。

「私としても正直その方が楽ですが…。『構陣師』様か『紅の武装姫』殿が教えればよかったのでは?」

教会騎士さんはイドルさんとエリザさんを見ながら聞きました。

「魔法陣は書けるが大して使えるわけでもないからな。武器を強化する暇があれば他の魔法を使った方が効率的だ」

「自分は武器の申し子ギフトで強化されますからな。正直使う機会がないであります」

イドルさんとエリザさんは教会騎士さんに答えました。


「…それなら仕方ありません。ついでにもう1人の勇者も連れて行きますね。少しは強化した方がいいでしょう。聖女様、少しお側を離れることをお許し下さい」

教会騎士さんはリリエンヌさんに頭を下げました。

「許可します。勇者様方の力になってあげて下さい」

リリエンヌさんは頭をさすりながら返しました。

「それなら宮殿の練兵所をお使い下さい。十分な広さはあるでしょう。すぐ兵士に案内させます」

シャディーンさんが教会騎士さんに申し出ました。

「感謝します。それでは行きますよ」

教会騎士さんに促され、私は練兵所に向かいました。

ピラミッドのことより翻訳魔法の反動の話になってしまいました。次は武器強化の話を書く予定です。

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