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構陣師  作者: ゲラート
第4章 ファラオの呪い
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聖女リリエンヌ

「ようこそお越し下さいました。勇者パーティーの皆様、そしてアイシスの使者方。『救済』の聖女リリエンヌです」

リリエンヌはそう言ってお辞儀した。

「こ、これはご丁寧にどうも。さっそくですが本題に入らせていただきます。どうかアンデットの野望を阻止するのに協力して下さい」

セインティアに赴いた使者はそう言って頭を下げた。


「野望…ですか。アンデッドは何を仕掛けて来ているのですか?」

リリエンヌは使者に尋ねた。

「はい。ジュエラルのカードを用いた古の儀式で力を得て我が国を滅ぼそうとしているのです!」

使者は声を荒らげた。

「…ジュエラルってカードゲームですよね。古の儀式に使える物なのですか?」

リリエンヌは当然の疑問を口にした。

「当然です。ジュエラルはアイシスの古の石板を元にしています。だから当然古の力が宿っているに決まっています」

この使者はシャディーンと違って狂信者のようだ。信仰心の強い相手とぶつけたら面倒なことになるのも当然だな。明らかな人選ミスだろう。


「…とりあえず細かいことは一旦置いておきます。その儀式はどうやって行うのですか?」

リリエンヌは使者に尋ねた。そういえばよくわかってないな。

「必要な枚数カードを揃え、古代神官文字で書かれた呪文を詠唱します。そうすることで強大な力を得られるのです」

使者は儀式の内容を熱弁した。

「カードを集めて呪文を唱える…。それだと阻止しようがないですよね?ジュエラルは世界中の人が遊んでいます。必要なカードを守ろうにも誰が持っているなんて絞れないでしょう」

リリエンヌは正論をぶつけた。

「誰が必要なカードを持ってるかくらいは所有者がMephoneを持ってれば特定出来る可能性はあるわ。まあ全員ガードするのは無理でしょうし、護衛依頼を冒険者に出した方がいい案件ね」

サヤが言う通り勇者パーティーが個人を護衛するのはなかなか難しい。カードを狙われそうな人も自分から依頼を出してるだろうからわざわざ動く必要もないだろうしな。


「それは問題ありません。儀式にはピラミッドにある祭壇を使います。つまりアンデットを殲滅してピラミッドを取り戻せば儀式を阻止出来るのです」

シャディーンが冷静に説明した。

「なるほど。要するに儀式で力を得ようとしているのがアンデッドであろうとそうでなかろうとピラミッドを奪還してしまえば阻止出来るわけですか」

リリエンヌは情報を分析した。


「聖女様。異教徒の儀式などどうせ大した効果はありません。放っておいても問題ないでしょう。わざわざ異国に行って危険に身をさらす必要はないです」

リリエンヌのそばで護衛している教会騎士が口を挟んだ。

「なっ。我が国はどうでもいいということですか!」

もう1人の使者は教会騎士の言葉に激昂した。沸点低いな。


「勇者パーティーとしては出来れば協力して欲しいんだがな。今のメンバーではアンデッドに対応出来る力はない」

おれは現状を説明した。

「勇者が2人もいるでしょう。アンデッド対策としては十分なはずです」

教会騎士は冷静に返した。

「属性は有利かもしれませんがアンデッドの対処法がわからないです。経験がある人がいたら助かります」

「そうね。ゾンビなら頭を撃てばいいかもしれないけど他のアンデッドはよくわからないわ」

異世界組の2人が不安を口にした。やはり経験はないようだな。


「そういうわけだから協力してくれると助かる。聖女が勇者パーティーに力を貸すのはセインティア並びに光神教の名が高まることになる。その上異教に惑わされている人々に力を見せれば信者が増える可能性がなきにしもあらずかもしれない可能性は存在しなくもないぞ」

おれはリリエンヌを諭した。

「うっ…。さすがイドル様。光神教のためと言えば私が釣られるのはお見通しなのですね」

リリエンヌはそう言って頬を赤らめた。その反応はおかしくないか?

「ふーん。もう攻略済みなんだ」

「何でそんなに手が早いんですか…」

サヤとヒカリがジト目でにらんできた。


「…その反応を見るに協力してくれるということでいいんだな?」

おれは後ろの視線を無視してリリエンヌに尋ねた。

「…はい。その代わりセインティアが魔王軍の邪神教に侵攻された時には力を貸して下さいね」

リリエンヌは上目づかいで見てきた。

「それが勇者パーティーの仕事だから当然だ。そうだろう、ヒカリ」

「もちろんです。窮地に陥った国を見捨てることは出来ませんから」

 ヒカリは迷いなく言い切った。

「なら残りの勇者パーティーと国に報告して、アイシスに行く日を決めるか。アイシスの使者は自分で帰れるか?」

「ご心配なく。帰還用の魔具がありますので」

シャディーンはそう言って金色の目がついた魔具を見せた。


「そうか。じゃあ帰るぞ」

おれはヒカリとサヤの腰に手を回した。

「きゃっ。ご、強引過ぎますよ」

「…帰ったら色々説明してもらうからね」

ヒカリとサヤの言葉を聞き流しつつ、おれたちはサミュノエルに転移した。

少し話の流れが雑だったかもしれません。

アイシスに行くのは次の次くらいになりそうです。

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