表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

虹シリーズ

満足な豚

作者: quark hound

「お父さんは幸せ?

あと、正しいことってなに?」


娘が家に帰ってきて早々、

こんなことを父親に尋ねた。

幼稚園でなにか聞いてきたのだろうか。

この年齢になって娘は

いろいろなことを訊くようになった。


『この子の中でその二つは

どのように繋がっているのだろう?』

と彼は思ったが

『考えて分かることでもないか』

と結論づけた。


彼は娘に言った。


「お父さんは今まで生きてきて

生きる上でなにが大切なのか

この世界でなにが正しいのか

なにも分からなかった。

今でも分からないよ。

効率の悪い生き方だったし

物事を考え始めるのが

他の人たちより遅かったからかな?


それでもお父さんは

今の生活が幸せだし

この人生に満足しているよ。


そう── 僕は満足な豚なんだ」


「まんぞくなぶた?」


「そう。満足な豚」


「でもお父さんは人間だよ?」


「あっはは。そうだね。

これは言葉の(あや)というか

言葉遊びみたいなものだよ。

勉強すれば分かるかもしれないね」


「むずかしい。わかんない」


「だよなぁ。でもね、

一つだけ確かなことがあるんだ。

それはお父さんにとって

お母さんと玲穂(れいほ)が一番大切ってこと」


そう言って彼は娘の頭をなで、

娘は幸せそうに微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ