浴衣の君は…(200文字小説)
神村律子さんとの賭けに負けてしまって、¥100取られてしまうことになりました。それで¥100の価値がある小説を贈ることにしたのだけれど…。この小説に¥100分の値打ちがあるかどうか…。
花火が終わったとの帰り道。
カップルばかりが目につく。
僕は仕事帰りで疲れているのに、なかなか駅までたどり着けない。
イライラしながら歩いていると、浴衣姿の髪の長い女性に目が留まった。
カフェのベンチに座って一人でソフトクリームを食べている。
ふと目が合った。
僕は彼女を知っている。
「隣に座ってもいい?」
「どうぞ」
「相変わらずキレイだね」
「鉄人も相変わらずよく働くね」
「律子さんに会えたから疲れも吹き飛んだよ」