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藍より
私は、生きる。私の人生を精一杯生きてきた。
たった8年しか生きてきていないけれど、私には十分すぎるくらいの時間だ。
周りの人からすると、8年なんてちっぽけな大きな人生のごくわずかな時間にしかすぎないのだ。
8年も生きていると、いろんな人に出会うことだってできる。
これまでに出会ってきた人は、家族。
お父さん、お母さん、お姉ちゃん、弟。
クラスの友達。先生。
そして、親友。まぁ、いま親友と呼ぶのなら「親友だった人」とでも呼んだ方がいいのであろう。私の親友は、背が高く髪の毛はショートヘア。スタイルもよく、センスも並外れていた。そして、私のことを愛してくれた。
そして、私も私のことを愛してくれる親友のことを愛していた。
「藍ー!!!」
そう呼ぶ声がしたから、私は「はーい」と返事だけをして走って向こうの方へ行った。
私を呼んだのは夏奈だった。