好敵手と呼べる者
──_____…どこ…?
こは日ノ本。こちらの世界よりも少しk(ry
──不思議の森。
団員はそれぞれ各場所を捜索することになったが…
ルビーの指示が出る前に、ブレイは一人で行動していた。
町外れにある、不気味な森。そこにブレイはいた。
ブレイ「うーん、早く見つけないとねぇ…」
ブレイは、彼なりに焦っていた。
何かいやな予感がして、不安でたまらないからだ。
──ガサッ
背後から、突然気配がした。
何処か禍々しい様な、無邪気な幼い子供の様な、混沌とした気配。
後ろを振り返るとなんと…そこに立っているのは…
──ラナーテ・エスターテ。彼だ。
しかし…様子が明らかに可笑しい。
「……………………」
ブレイ「…危険区域、っていうべきなのかな…」
何かをブツブツと言っているのか、ラナーテの口元が微かに動いている。
ブレイは表情を崩さないが…ラナーテの様子に、内心かなり焦っている。
ブレイ「…全く…君はほんと人騒がせな人だね」
懐から彼の愛用する魔武器の、二丁拳銃を取り出す。
ブレイ「悪いね…当たるとちょっと痛いかもしれないけど…ッ!!」
左手に持った拳銃でプレッシャーをかける。しかし、彼は全く動じていないようだ。
それどころか、今度は攻撃を仕掛けようとしている。
しかしブレイは、焦ることで集中力が欠け始め、思い通りに標準が合わない。
ブレイ「うーん…こっちが不利なのかもしれないね…」
ラナーテの容赦ない攻撃には、もはや逃げ回ることしかできなくなった。
しかし…
ブレイ「…うわっ!?」
逃げ回る最中に片足に蔓が絡まり、転倒してしまった。
ラナーテは、その瞬間を見逃さなかったようだ。
身動きが出来なくなったブレイの目の前に、瞬間移動した。
ブレイ「しまっ…」
ラナーテの顔を見た瞬間、背筋が凍りつくような感覚に襲われた。
紫色のはずの目が、桃色に変わっているのを。
生気のない、黒い何かを宿した目を。
彼の呟いている言葉、発する声を。
「……お…ねえ…ちゃん……どこ…?」
ブレイ「えっ…」
蔦が絡んでいることもあるが…一歩も動けなくなってしまった。
ブレイの、思考回路が止まったからだ。
恐怖心ではない、もっと違う何か…
──お姉ちゃん…どこ…?
今…確かに彼は、そう言った。
幻聴ではなく、はっきりと…