事の始まり
ここは名もなき盗賊団の本部。後のダイアモンド・ファイアだが…
「…んだと…もっかい言ってみろ!!」
「何回でも言ってあげるよ。『君は見た目とは違って性格が悪いんだね』」
チーム内のある二人が、突如喧嘩を始めた。
美麗な顔立ちだがその容姿とは裏腹に荒々しい性格の少年、ラナーテ・エスターテ。
温厚な性格だが、毒舌家でもあるブレイ・シュトラール。
ブレイの一言で、ラナーテが怒ってしてしまったのだ。
離れた場所でファイ・リュミエールは呆れた様な顔をしている。
その近くで、フィーローズ=エルドフィールことフィーが見ている。
「…」
突然、喧嘩をしている二人の頭上に本が落下してきた。
「痛ったー…」
「…?」
本が落ちたことで、喧嘩は収まったかと思ったら…
どうやら逆効果だったらしく、ラナーテは何処かに行ってしまった。
普段つけている、耳飾りを落として。
「…行っちゃったねぇ…」
「人ごとじゃないだろ…」
ファイの発言に、レット・フォルシードが呆れたように言う。
その雰囲気を壊すかのように、空気を読まずにルビー・フレイムバレットが入ってくる。
「Hey♪…ってあれー? ラナーテはー?」
──数分後。
「なるほどねぇ…」
ルビーは少し(たった10秒)考える素振りを見せると、明るく言った。
「よし。捜しに行こうじゃない♪」
「「えっ」」
──これが、ダイアモンド・ファイア結成の切っ掛けになるとは…このとき、誰も知る由がなかった。
ルビーの台詞…ラナーテがレナーテに…打ち間違えてた…