東方霊亜伝 番外5
どうも~神夜晶です
今回は番外編を書きます
でも、バレンタインではありませんので御注意を!
今回のテーマというか内容は
『もしも霊亜の存在が幻想郷に知れ渡っていて
かつ、紫が霊亜に対して力を持ってるんじゃない?』と言い出したらという
意味不明な内容ですw
因みにオリジナル?神が出ますw(中二くさい神です)
でも、これだと霊亜の産みの親の霊夢を出せるんですよね~・・・
まぁ、駄作駄文とでも思って見てやって下さい><
※台本形式で書くのは口調が似てる人達が居るからです
産みの親の霊夢は分かる人には途中からで分かると思います
でわ、どうぞ!
「~♪~♪~♪」
現在は昼過ぎで殆どの者が昼御飯を食べ終わった時間だろう
そして博麗神社には珍しい四人が集まっていた
そんな中、霊亜は神社の前で掃き掃除をしていた
機嫌が良いのか鼻歌を歌っていた
その鼻歌は最早神レベルだった
そんな霊亜を観察している者達が居た
「「「「「……」」」」」
「~♪ ……!
ママ~!」
紫「手振ってるわよ?」
霊夢「分かってるわよ」
霊夢は霊亜に手を振り返した
他の四人はニヤニヤしながら霊夢を見ていた
霊夢はニヤニヤ見られてるのが嫌なのか背中に『夢想封印』を出した
出された四人は顔をフイっと違う方向に背けた
その四人とは
『八雲紫』『蓬莱山輝夜』『八意永琳』『藤原妹紅』だ
輝夜「それで大事な話って何なの?」
紫「そうだったわ
霊夢、霊亜ちゃんを見て思う所があるんじゃない?」
霊夢「思う所? 何を思うのよ」
紫「霊亜ちゃんが以前に話したんでしょ?
自身の母親が貴方より百倍強いって」
霊夢「あ~……
そんな事も話してたわね
というか何で知ってる訳?」
紫「私が思ったのは其処なのよ
母親が最強なのに子供が弱い訳ないでしょ?」
霊夢「確かに……」
永琳「ねぇ、紫?
結局、何が言いたいのかしら?」
永琳が紫に質問をした
紫は『せっかちね』と呟いた
紫「つまり、霊亜ちゃんが力を持ってるんじゃないか?って話よ」
輝夜「ハァ?
その話が何で私達に関係ある訳?」
紫「もし、どんな強い攻撃を受けても不老不死だから死なないでしょ?
だから実験台になってもらおうって事よ」
輝夜、妹紅「「何で私達が!」」
紫「もし引き受けてくれたら……
これ上げても良いわよ?」
輝夜、永琳「「こ、これは!?」」
紫「そう、此処幻想郷でしか手に入らない幻のアイテム
『霊亜写真集アルバム』よ
もし他に欲しい物あったら
外の世界から取って来ても良いのよ?
例えばゲームとかね」
輝夜「っ!?」
紫「もしくは、三人で行ける
この『三人で行ける地霊殿7泊8日温泉チケット』を上げちゃうわ~」
妹紅「っ!?」
紫「でも、三人は引き受けてくれないみたいだし
残念ね~……
私が霊亜ちゃんと行って来ようかしらね
勿論、霊亜ちゃんの初めては私が……ね?」
永琳、輝夜、妹紅「「「待て、ゴラァ!」」」
紫「どうしたのかしら?
引き受けないんでしょ?
何も文句を言われる筋合いは無いわよ?」
永琳「くっ……
分かったわよ、協力するわ
但し、写真集は私の物よ」
輝夜「それじゃ私は外の世界のゲームで」
妹紅「わ、私は温泉チケットで……(慧音、霊亜と三人で温泉!)」
紫「(計算通りね……(ニヤ))」
霊夢「私には何も無い訳?」
紫「霊夢には賽銭という名目で100万円プレゼントしちゃうわよ?」
霊夢「……」
紫「どうしたの? まさか欲しくなかった?」
すると霊夢が立ち上がり
紫の前に座り土下座をした
霊夢「何でも命令して下さい、紫様」
紫「分かれば良いのよ!
(それにしても土下座するとはね……流石の私でも引くわ)
それじゃ、作戦は……」
紫によって話が進められた
作戦は単純だ
『霊亜ちゃんは力を隠しているわ
だから霊夢が危機か何かに遭えば力を使わざるを得なくなる筈よ
という事で、霊夢には死体を演じてもらうわ』との事だ
~そして作戦決行の日~
「~♪~♪~♪」
霊亜は霊夢に頼まれて人里に、お使いを頼まれていた
博麗の巫女の息子というのもあるが
霊亜自身が人里の者から好かれているのでサービスしてもらえるのだ
そしてルンルン気分で戻って来た霊亜の瞳に映った物とは……
ドサッ!
買い物をした袋が霊亜の手から落とされた
「マ……マ……?」
霊亜が見た物とは霊夢の死体だった
まだ頭がついていかない霊亜は寝てるだけかと思っていた
しかし普段、縁側で寝てる霊夢が此処で寝てる筈が無いと分かっていた
心では分かって居ても頭では理解出来なかった
「どうしてこんな所に寝てるの……?」
霊亜は霊夢に近寄って女の子座りをしながら触れてみた
触れた瞬間に霊亜は分かった
もう死んでいると
何故なら霊夢の身体が冷たかったからだ
※提供;レティ・ホワイトロック株式会社
「それは私達が霊夢を“殺した”からよ」
「っ!?」
不意に後ろから声を掛けられた
ゆっくりと霊亜は後ろを振り向いた
其処には永琳を中心に右側に妹紅、左側に輝夜が立っていた
「ふふ、驚いた?」
永琳は黒い笑みを崩さずに笑った
しかし内面では穏やかではなかった
『愛しの霊亜を傷付けるなんて……』と思っていた
「嘘だよね……?」
霊亜の顔は酷かった
苦笑いだが今にも泣き出しそうな顔だった
「嘘じゃないわ」
「ど、どうして……!?
どうしてママを……」
遂に霊亜は涙を流してしまった
それを見て三人は心が痛まれる
後で謝れば何とか許してもらえる筈!と思っていた三人だった
後に『こんな事になるとは思わなかった』と思う三人だった
「それはね?
霊夢が私達から借りた、お金を何時までも返さないからよ」
「そ、そんなの待ってくれてたって……!」
「幾ら借りてると思う?」
「え、えっと……」
「100万よ? 霊亜は返せると思ってるの?」
「そ、それは……
だとしても、殺さなくても良かったんじゃないの!?」
「私達が借金取立てに来たら暴れたのよ
だから殺したわ
返せなかった借金は霊亜の身体で払ってもらうわ
じっくり……ねっぷりとね♪?」
永琳は黒い笑みで楽しそうに『ふふふ』と笑っていた
霊亜は、この中で一番親しい妹紅に質問した
「妹紅お姉ちゃんもママを殺したの……?」
「すまない、霊亜……
私にだって生活があるんだ
本当にすまない……」
妹紅は迫真の演技で霊亜に言った
すると霊亜は霊夢の身体を女の子座りしたまま抱き上げた……
「ママ……
う、うわあああああああああああああああん!!!!!」
遂に声を上げて泣き出してしまった霊亜
それを見て更に胸を痛める三人だった
いや、五人だった
死体を演じている霊夢とスキマの中から見ている紫もだった
「「「(ごめんなさい(な)、霊亜……)」」」
悪役の三人は心の中で謝った
すると霊亜が泣きながらも声を掛けてきた
「ママは……お金を借りてたかもしれない……
でも!ママは三人の事は口に出さなかったとしても信頼してたのに!
それなのに……どうして……殺したの……」
霊亜は声を上げるのを止めたが震えながら小さく泣いた
触れたら今にも壊れそうな位に弱々しかった
「悲しんでる所、悪いけど……
一緒に来てもらうわよ、霊亜?」
何とか笑みを崩さずに言い切った永琳だった
霊亜は連れて行かれると思い何かを解放した
「うぅ……うわぁぁぁぁああああ!」
「「「「「っ!?」」」」」
カッ!キィィィィン!
霊亜は霊夢を抱き上げたまま
博麗の術式を展開した
霊亜は紫の睨んだ通りに力を使った
その力とは……
~回想~
「神降ろし?」
「そう、神降ろし
私が教えるのは神降ろしの中でも最も強力なやつよ」
霊亜は夢の中で産みの親の霊夢と話していた
突然産みの親である霊夢が教え出したのだ
「ふ~ん……
どんな神なのか全然予想が付かないよ~」
「まぁ、追々に教えるわ
それと一つだけ言っておく事があるのよ」
「何、ママ?」
「今から私が教える神降ろしは
此処だ!っていう時、以外は使ったら駄目よ」
「どうして?」
「さっきも言ったけど
これは強力なのよ
強力過ぎるが故に代償も大きいわ」
「代償……?」
「えぇ、普通の神降ろしなら霊力だけを使えば済むけど
この神降ろしは術式を発動するのに霊力を消費するけど
本当に恐ろしいのは其処じゃないわ
この神降ろしはね……
使ったが最後、自身の魂と引き換えに
神の魂を降ろすのよ」
「自身の魂と引き換えに……?」
「貴方には、まだ難しかったわね
つまり貴方が自分の命と引き換えに
守りたい者が出来たら使いなさいって事よ」
「そんなの決まってるよ!」
「もう決めてるの? 早いわね~」
「え? ママだよ?」
「私?」
「うん!ママもだし
育て親のママも!」
「ふふ、有り難うね
でも、私は良いわ
だって私は神降ろしの神より強いもの
もう一人の私にしてあげなさいな」
「やっぱりママってカッコイイ!
神より強いなんて凄い!」
「ふふ~ん!もっと私を敬え~」
「ママ~♪」
霊亜は産みの親の霊夢に抱きついて幸せそうな顔をしていた
~回想終了~
輝夜「何なの!?」
永琳「これが紫の言ってた霊亜の力?」
妹紅「何か危険な匂いがするんだけど
気の所為?」
そんな事を呟いていた三人だった
その頃の霊亜は……
「ママ、ごめんね……
もっと早くに僕が、この術を使わなかったから
ママを死なせちゃって……」
霊亜は霊夢の身体を抱き上げたままポツポツと話し出した
霊夢の顔に霊亜の涙がポツンと何度も何度も落ちていった
「ママ、僕ね? 内緒にしてた事があるんだ……
産みの親のママの事は話したよね?
そのママに教えてもらった術があるの
それが今使ってる『神降ろし』という術だよ
これはママが言ってたんだけど
自身の魂と引き換えに神の魂を呼ぶんだって
だから僕は此処までかな……?
ママ……今まで本当に有り難う
自分の命を使うなんて許さないと思うけど
でも、使わざるを得ないんだ……
僕は皆大好きでね?
でもね……それ以上にママが好きなの!
だからママを奪った三人が許せない……
ママ? もしも……また会えたら良いな……」
霊亜の魂が消える時に霊夢は直ぐに目を開けた
霊夢は霊亜に喋り掛けた
「止めなさい、霊亜!」
「ママ……!?
生きてたんだね……良かった
ママ……ちゃんと生きてね?(ニコッ)」
その言葉を最後に霊亜の魂が消えた
そして術式が終わり霊亜の姿に異変が起きた
霊亜は立ち上がり腕をぶらんとさせていた
黒だった髪が一瞬にして全て白に変わったのだ
霊亜の身体をドス黒いオーラが纏わり付いた
そして、霊亜の瞳が開かれた……
『我を目覚めさせるのは誰だ……』
「「「「「っ!?」」」」」
霊亜が喋ったと思えば声が男でも女でもない声だった
この世の者とは思えない程に不気味で気持ち悪い声だった
『我が名は終始神“ゼス”』
「終始神……」
「ゼス……?」
『そうだ、我は終わりと始まりを司る神
宇宙創造も我がしたのだ』
「何ですって……?」
『ふん、この身体の契約者も馬鹿な事だ
態々、こんな雑魚共に我を呼ぶとは……
我を呼ぶという事
それは、終わりも始まりも来ない世界で
この者の魂が永遠に彷徨い続けるのだからな』
「お前に何が分かるのよ!
私の為に命を賭けてくれた霊亜が馬鹿ですって……?
霊亜の……霊亜の身体で喋るなぁぁぁぁ!」
「止めなさい、霊夢!」
霊夢は怒りに身を任せて突進した
しかし突然出て来た紫に止められた
霊亜の事を馬鹿にされて頭が来ていた霊夢だった
「離しなさい、紫!」
「落ち着きなさい!
霊亜ちゃんの言葉を忘れたの!?」
「っ!?
ハァ……ハァ……ふぅ~……
悪かったわね、紫」
紫の言葉を聞いた霊夢
霊夢は何とか落ち着きを取り戻した
「別に良いわよ
それにしても……不味いわね」
『何だ、来ないのか?
では、此方から行くぞ』
「皆、避けて!」
そう言ってゼスは今までぶらんとさせていた右手を五人に向けた
其処からドス黒いレーザーが発射された
カッ!ズドォォォォォン!
紫の一言で全員が避けれたが鳥居が跡形もなく消滅していた
「何て一撃なの……」
『我が降ろされる前に契約者の情報が流れ込んで来たのだ
貴様等三人が憎いとな
しかも不老不死と聞いた
だから我の全ての一撃は不死殺しの攻撃と思うんだな
例え不死じゃなくとも致命傷は避けられないがな』
「くっ……一体どうすれば!?」
悔しそうに霊夢は言った
霊夢は後悔していた
紫の提案を受けなければ何時までも平和な日々が続いたのにと
しかし後悔しても遅いので何とか倒す方法を考えた
~精神世界~
「ん……此処は何処?」
霊亜が目を覚ましたのは何もない暗闇の世界だった
自分以外には何も存在しない世界
ある意味で夢の中の世界と似ていた
だが雰囲気が違うのか霊亜は夢じゃないと分かった
「そっか、僕は神降ろしで魂が……」
「そうよ、全く紫達も面倒な事をしてくれたわね」
「っ!?」
霊夢は突然後ろから声を掛けられた
後ろを振り向くと……
「ママ?」
「そうよ、産みの親のママよ」
「あれ? 姿が変わってない?
それに巫女服が前は黒だったのに
今は赤黒い?」
「あぁ、これ?
今は力を解放してるからね
この姿になるのよ
えぇ、これも力の解放による変化よ」
産みの親の霊夢は力を解放して、この世界に来たのだ
矢張り息子が心配で好きな霊夢だった
「此処は何処なの?」
「此処は神降ろしの神の中の世界よ
貴方が降ろした神は『終始神ゼス』という凶悪な奴よ」
「凶悪……
ママは大丈夫なの?」
「現在進行形で言うと間違いなく殺されるわね」
「そんな……」
最悪な結果を聞かされた霊亜だった
霊亜は地面にペタンと崩れ落ちた
「でも、助ける方法が2つあるわ」
「本当に!?」
「えぇ、一度しか言わないから良く聞きなさい!
一つ目は私が貴方の代わりに魂を捧げる
二つ目は貴方がゼスの魂ごと乗っ取る
この二つだけよ」
「ママが生贄になるなんて駄目だよ!」
「それじゃ、必然的に二つ目の方法になるわね
言っておくけど辛いわよ?
それに一歩間違えれば……
永遠に、この世界を彷徨い続ける事になる」
「辛くてもやるよ……
例え永遠に彷徨い続ける事になっても
可能性があるなら僕は頑張るもん!」
「ふふ、良く言ったわ」
「えへへ~♪」
霊夢は霊亜のガッツに頭を撫でた
霊亜は嬉しそうに笑っていた
「それじゃ、方法を説明するわ」
「は~い!」
「方法は簡単よ
今の貴方は精神そのものと言っても良いわ
だから『僕の身体から出て行け~』ってゼスに向けて思うのよ
そうすれば身体の主である貴方の精神が
ゼスの魂を拒絶してゼスの魂だけが出て行くわ
つまり力は残るって事」
「えっと……」
「つまり成功すれば巨大な力を得られるって事よ」
「ぉ~……!
もし力を得たらママを守れる?」
「えぇ、貴方の幻想郷なら楽勝にね」
「僕頑張るよ!」
「頑張りなさい
私は現実に言ってゼスの行動を止めて来るから」
「うん!」
「良い? どんなに辛い事が起きても負けちゃ駄目よ
もし負けたら失敗と思いなさい」
「う、うん」
「それじゃ、行って来るわね」
「は~い」
~現実世界~
あれから五人はゼスからの攻撃を避けながら
此方も攻撃を仕掛けたが歯が立たなかった
「どんだけ強いのよ!」
『我に攻撃は無駄だ
我の能力は『終わりと始まりを司る程度の能力』だ
どんな攻撃にも終わりはある
それを貴様等の攻撃にしているのだ
さぁ、諦めて殺されるが良い』
「万事休すか……」
「悪いけど、殺させはしないわ」
『っ!?』
不意に何処からか声が聞こえて来た
全員が辺りを探してみると神社の上に誰かが立っていた
「「「「「霊夢(私)……?」」」」」
「確かに私は霊夢の名が付くけど
貴方ではないわ」
『貴様、何者だ……
何故人間如きが、そんなにも禍々しいオーラを放てる!?』
「今の私は人間じゃない……魔神よ」
『魔神だと?
ふん、神である我に敵う筈が……』
「それは、どうかしらね?」
『っ!?
何時の間に……』
産みの親の霊夢は瞬間移動をしたかの様にゼスの後ろに立っていた
ゼスは慌てて距離を取るが遅かった
「私の息子を返してもらうわよ!
ハァァァァ!」
ドゴォォォォン!
産みの親の霊夢は腹を一発殴った
それだけでゼスは物凄い勢いで
神社を崩壊させながら後方へと飛んでいった
「貴方では私に勝つ事は不可能よ」
「貴方は一体……」
紫が四人を代表して口を開いた
話しかけられた産みの親の霊夢は答えた
「初めまして別世界の私
と言っても貴女は私の事を知ってる筈よ」
「もしかして霊亜の産みの親?」
「正解、私が霊亜の本当の親よ
息子がピンチみたいだから次元を超えて駆け付けたわ」
「次元を超えたって……チートね」
「まぁ、一応自己紹介しておくわ
私の名前は……“禍霊夢”
貴方の負の根源を元に作られた存在よ」
「「「「「っ!?」」」」」
「つまり貴方の全ての負の感情が私に来るって訳
まぁ、今となっては問題を解決したから良いんだけどね
一応言っておくけど、問題解決後に霊亜を産んだから
霊亜には何も無いわよ? 其処は安心して良いわ
それより、今霊亜はアイツの精神を引っ張って
身体を取り戻そうと頑張ってるわ」
「霊亜が生きてる……?」
「えぇ、魂はね
でも、失敗すれば
終わりも始まりも死も来ない世界で
霊亜の魂は永遠に彷徨う事になるわ……」
「成功したら?」
「成功したらゼスの魂は霊亜の身体から出て行くわ
そして霊亜は晴れて人外となるのよ
でも、貴方にとっては霊亜が人外だろうと関係ないでしょ?」
「えぇ、霊亜さえ生きて戻って来てくれたら
何も言う事は無いわ!」
「それでこそ、もう一人の私ね
まぁ、貴方達は見てなさい
これから次元が違う戦いが見れるわよ?」
そう言って禍霊夢はゼスの方向へと歩いて行った
五人は思った
『何も出来ないのが悔しい……』と
五人は誓った
『もっと強くなってみせる!』と
『何故だ!
何故、始まりの神である我が押されている!』
ゼスと禍霊夢の攻坊は
誰が見ても禍霊夢の圧倒的な実力だった
「何故ねぇ~……
貴方は神という名だけで偉そうに振舞っている
そして神じゃない相手を差別している
それが敗因の一つね」
『何だとぉぉぉ!』
「そして、もう一つは……愛よ!」
『愛だと!? ふざけた事を言うなぁぁぁ!』
「「「「「ぶはっ!?」」」」」
ゼスは禍霊夢の愛という答えに怒った
見ていた五人は盛大に吹いた
「ふざけてなんか無いわ
だって感情を認めるという事は勇気がいるもの
私は最初、愛というのが分からなくて怖かった
だけど今は逃げない……だから強いのよ!」
『世迷言を……ガァァァァっ!?』
「良いタイミングね」
「何が起きたの?」
霊夢が禍霊夢に質問した
禍霊夢は霊夢の質問に答えた
「霊亜がゼスの精神を
乗っ取ろうとしてるのよ
だから見守ってなさい」
「霊亜……」
ゼスの白かった髪が半分位まで黒に変わってきた
だが、それ以上が進まずに居た
ゼスは精神と精神が、ぶつかり合ってるのか地面に転がり苦しんでいた
『ガあアあ!!抵抗などサせルかァぁァぁ!』
ゼスの気合で半分黒かったのが3/4位まで白くなってしまった
禍霊夢も内心『不味いわね……』と思っていた
そんな時だった、禍霊夢は良い方法を思い付いた
「もう一人の私!」
「な、何?」
「このままだと霊亜の魂は持ちそうに無いわ
そうなる前に、とっておきの方法を取るわよ」
「とっておきの方法?」
「えぇ、ちょっと手を貸してくれる?」
「え、えぇ」
ギュッ!
禍霊夢が霊夢の手を握った
霊夢は禍霊夢の行動が分からなかった
「私の力で霊亜に声を届かせるわ
だから貴方が霊亜を応援するのよ!」
「私が……?」
「えぇ、貴方がすれば霊亜は必ずゼスを消せるわ
勿論、私も応援するけども
この方法の要は、もう一人の私である貴方なのよ
今の霊亜は暗闇の世界で孤独に頑張ってるわ
それを応援しないで何時するの? 今でしょ?」
「……」
「良いわね? もし恥ずかしくて出来ないって言うなら……
私は霊亜を私の世界へと連れて帰る
それでも良いのかしら?
悪いけど……私本気だから」
「っ……!?」
「少しだけ時間を上げるわ
そうね、5分よ
5分で答えを出しなさい!良いわね?」
「……(コク)」
禍霊夢の言葉に驚いた霊夢
霊夢は内心焦っていた
普段から余り優しくしない霊夢なので
恥ずかしいという気持ちがあった
霊夢は与えられた5分間を思考だけに費やした
~5分後~
「答えを聞かせて頂戴」
「私は……やるわ!
応援でも何でも、やってやろうじゃないの!」
「ふふ、流石もう一人の私だわ
それじゃ、いくわよ!」
「お願いするわ!」
禍霊夢は目を瞑り精神を集中させた
数秒後に禍霊夢は目を開けて霊夢に話しかけた
「何時でも良いわよ
私がゼスの方向に手を向けてる間は霊亜に声が届くわ
その間に心の中で強く思った事を霊亜に届くわ
さぁ、準備は良いかしら?」
「えぇ、始めて頂戴」
「それじゃ、応援を宜しく頼むわ!」
禍霊夢はゼスの方向に超音波らしきものを発生させた
それが霊亜に声を届ける唯一の方法なのだ
霊夢は心の中で霊亜に思いを届けた
~精神世界~
「ハァ……ハァ……
思ってるだけなのに疲れて来たよ~
何でかな……?」
霊亜は随時『身体から出て行け!』と思ってる最中だ
そんな時だった
霊夢『霊亜ー!頑張りなさい!』
「ひゃっ!?
ママ? 何処なの!」
霊亜は霊夢の声に驚いて声を上げた
霊夢を探そうとキョロキョロ辺りを見渡した
しかし霊夢の姿は一向に見当たらなかった
「どういう事?」
霊夢『霊亜、私は其処には居ないわよ
私を探そうとキョロキョロしてると思うから言っておくわ
霊亜、ゼスとの精神勝負に負けたら
何時までも一人で、その世界を永遠に彷徨う事になるのよ?
私とも会えなくなるのよ?
それでも良いの……?』
「ママ……」
霊亜は霊夢の声を確りと聞いていた
霊夢の声には感情が宿っていた
今の霊夢は悲しそうな声を出していた
霊亜は失敗したくないと更に強く思った
霊夢『霊亜、帰って来たら
思いっ切り甘えさせてあげるわ
だから……早く帰って来てぇ!』
「一人は嫌だ……一人は嫌だ……
僕はママ達と平和に暮らしたいんだ……
だから!ゼスだか何だか分からないけど!
僕の身体から……
出て行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!」
カッ!
精神世界に光が走った
~現実世界~
「……」
霊夢は霊亜に言葉を伝えた後に涙を流した
こんなにも自分は霊亜の事を大事にしていた
これからも霊亜を大事にしていこうと心の中で固く誓った
『ガァァァ……ぁぁぁ……!』
ゼスは更に苦しみ始めた
3/4まで黒かった髪が一瞬にして全て黒に変わったのだ
そしてゼスは叫びを上げながらドサッ!という音を立てて倒れた
「霊亜!」
霊夢が泣きながら霊亜を抱き抱えた
そして霊亜は……
「マ……マ……?」
「っ!? 霊亜……霊亜ぁぁぁ!
うわぁぁぁぁん!」
霊夢は大声を上げて泣き出してしまった
霊亜はキツく抱き着かれて苦しんでいた
しかし今は、その苦しみでさえも嬉しい霊亜だった
「ママ、苦しいよ~
でも……もう1度会えて僕も嬉しいよ……」
「ふふ、これにて一件落着ってね」
「本当のママも有り難うね!」
「可愛い息子の為ですもの
当然の事をしたまでよ
それじゃ、私は事後処理をして来るから
また此処にくるわ」
「来てくれるの?」
「えぇ、力の使い方とかも教えないとね
言っておくけど……
完璧に使いこなすまで教えに来るから(ニコッ♪)」
「は~い……
でも、何時でも会えるって良いな!」
「ふふ、楽しみにしておく事ね」
「うん!」
「宜しい!それじゃ、またね~」
「は~い!」
禍霊夢は次元の狭間へと消えて行った
すると後ろから足音がした
「「「「霊亜……」」」」
「……」
足音の正体は紫、輝夜、永琳、妹紅だった
今まで邪魔にならない様に遠くから見守っていたのだ
霊亜は未だに泣いてる霊夢に退いてもらい
永琳、輝夜、妹紅の元へと足を運んだ
永琳「霊亜、その……ごめんなさい!」
妹紅「私も、ごめんなさい!」
輝夜「ご、ごめん……」
永琳から始め妹紅と頭を下げ謝った
輝夜は恥ずかしそうに頬を掻いていた
しかし妹紅が無理やり頭を下げさせた
すると霊亜は……
「顔を上げてくれる?」
三人は霊亜に言われて顔を上げた
霊亜は今にも泣きそうな顔だったが……
「もう、こんな事をしないと約束出来る?」
永琳「えぇ、もうしないわ
今回の事で、もう懲り懲りよ」
妹紅「あぁ、私も懲り懲りだ」
輝夜「私も、もうやらないわ
やるなら霊亜を着せ替え人形に……」
妹紅「お前は、もう黙っとけ」
ゴン!と妹紅から拳骨を喰らった
拳骨を喰らった輝夜は気絶したのだった
霊亜は各々の答えを聞いて返事をした
「なら、僕から言う事は無いよ!
もう2度としないでね(ニコッ)!」
「「えぇ(あぁ)!」」
こうして霊亜覚醒事件は終わりを告げた……
~とある暗黒の世界~
其処には今にも消えそうな黒い物体が居た
『ハァ……ハァ……
くそっ!今度は我が身体を乗っ取る番だ!』
「み~つけた♪」
『っ!?』
黒い物体は不意に声を掛けられた
声の方向を見てみると其処には禍霊夢が立っていた
「やっぱりね
あれで死んだら神の面目が丸潰れよね
でも、私が居たのが運の尽きよ
さてと……死になさい!
次元のアギトに引き裂かれよ!!!」
『ガアア……アア……ァァ……ァァ!』
ズドドドドドド!
禍霊夢は札を人差し指と中指で摘み横に払った
すると禍霊夢の背中から
有り得ない程の魔力の壁が黒い物体を襲った
黒い物体は悲鳴を上げて完全に消滅した
「これで終わりと……
私だけ何にも報酬無いとはね~
そうだ、霊亜に女装でもさせよ
そうしよう
これ位しても罰は当たらないわよね」
そう言いながら禍霊夢は次元の狭間へと消えて行った
禍霊夢が去った世界には何も残らなかった
如何でした・・・?
こんなに長い文章を書いたのは絶対神以来ですね~
あれも、そろそろ書かないと・・・
次回は本編になります!
でわ、また次回に><




