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拙い作品ですが、宜しくお願いします。
理不尽ってやつは、被る本人が特に何か悪いことをしたわけでもないのにやってくる。
親に暴力を受けたり、学校でいじめにあったり、通り魔に突然殺されたり……。
平和な日本でだってこれだ、発展途上国や人権のない国なんてもっとひどいことがあるだろう。
そしてやっかいなことに、理不尽ってのはどんなに自分の正当性を訴えたり、悲劇を嘆いたりしても、向こうから消えてくれるなんてことはない。
ひどい時なんか、何もすることができないまま、全てが終わってるなんてこともある。
まっこと、憎らしい事象だ……
ってかホント……どうしろっていうんだよ……。
俺は今、森の中に立っている。
何の前触れもなく、いきなり森の中に立っている。
立派な木が乱立してるせいか、太陽の光はかろうじで届く程度のようで薄暗い。そして、ちょい寒い……
空気のうまさが尋常でない点からしてもかなりレベルの高い森なのだろう……シシガミ様とか出そうだ。
さて、ではなぜこんな高レベルな森に俺はいるのだろうか……
と考えてみても答えは一向に出てこない。
なんせ5分前まで池袋にいたのだ。
ホントにフと気づいたらここにいた。
そんな感じなのだ。
その証拠に服装は制服(夏服)、カバンは通学用のスポーツバッグという装いで、自分が池袋の繁華街を歩いていた時のまんまである。
「はぁ……どうなってんだよ……混乱しすぎて脳ミソ破裂しそうだ……うがぁあああああ!」
俺は頭を抱えながら咆哮し、そのままその場でフリーズした。