君色 SS
貴方の色に染まる事は、……別に、嫌じゃない。
嫌じゃ無いケド……。
「はぁ?」
「だから、俺色に染まれよ。他のヤローなんて見んな」
言い方ってものがあるでしょ!
何?喧嘩売ってんの?!と、勘違いされてもおかしくない横暴な発言。
彼と付合い出したのは此処数日前。
友達としての関係にピリオドを打ちたくて、私から告白した。
前までの関係では知らなかったけど、彼は、意外に嫉妬深く、そして、結構な自己中男だった。
――自分だって、綺麗な女が通り掛ったら舐め回す様に見る癖に……
出来る事なら、あの時の告白する前の時間に戻って、過去の私に、「告白は止めた方が好い」と言ってやりたい。
「……はぁ…」
「人の顔見て溜息吐かんでくれますぅ?」
「…………キモい」
「あぁ?!俺がキモいってか!?俺の事愛しちゃってるから告白してきた奴が何言ってるわけ?」
「なっ…!?」
何って事言うんだよ此の男は!
しかも、公衆の面前で……。
失敗した。
やっぱ、コイツに告白するんじゃ無かった。
「………おい?」
「……………」
「……あれ?怒ってる?」
「…………………」
「……………」
口も聞きたくなくて、黙っていると、頭上で溜息が聞こえた。
吐きたいのはコッチだよ!!
……って、あれ?
頭上?
バッと顔を上げると、何時の間にか近くに居た彼に驚き、声を上げそうになった。
……何?
無表情で見下ろされ、何を考えてるか分らない。
顔が近付いてきてる様な気がするけど、…気のせいだよね?
ちゅっ
唇に触れた一瞬の熱。
ハッとした時には、彼は此方に背を向け、歩いていた。
「待っ…!」
視界に入った、小さくなっていく彼の耳の裏は紅く染まっている。
そして、私の頬も、同じく紅く染まっている…筈だ。
だって頬っぺた、触らなくても分る位熱いし、鼓動も早いし。
【君色】
気付いたら、貴方色に染まってた
終
後書き
リハビリに書きましたが、上手く書けず、恥かしい内容になってしまいました(泣)
文面は……もう、突っ込まない事にします((逃げたな
私が描く恋愛小説って、何で、あんま萌えないんだろうか…(-_-;)
初出【2012年12月19日】