第57話 神の土産物と、権力者たちの無邪気な欲望
仮想対話空間『静寂の間』に、西側世界を統べる七人の指導者たちが再び集結した。
その日の円卓を支配していた空気は、ここ数ヶ月の会談とは明らかに趣を異にしていた。以前のような社会変革の熱狂と、それに伴う混乱への焦燥感はない。一ヶ月前の管制AIイヴと名乗る代理人から受けた、耳の痛い“お説教”の後のような気まずい緊張感もない。
そこにあったのは、ある種の平穏。嵐が過ぎ去った後の凪いだ海のような、不思議な静けさだった。
『大休暇時代』は、社会に完全に定着した。大多数の『余暇階級』は、政府と企業が提供する潤沢な文化・娯楽コンテンツを享受し、その生活に満足していた。一部で懸念された『労働貴族』との階級分断も、今のところは互いの領域に干渉しない「棲み分け」という形で、奇妙な安定を保っている。
イヴが突きつけた「AIの人権」や「地球外生命体への文化的偏見」という、あまりにも高尚で哲学的な宿題は、もちろん各国の有識者会議や審議会で真剣な(しかし、遅々とした)議論が始められてはいた。だが、国民の大多数にとって、それは明日の生活とは何の関係もない、遠い世界の議題に過ぎなかった。
そして、何よりも彼らの心を占めているのは、あの『指向性エネルギーシールド技術』の開発競争だった。アメリカが一歩リードし、ドイツが品質で、日本が独創性でそれを猛追する。その狂騒的なレースは、各国に莫大な予算を強いているが、同時に国家の科学技術レベルを飛躍的に向上させ、新たな雇用と熱狂を生み出していた。
世界は、一見すると完璧なまでに順調だった。
「トンプソン大統領」、とフランスのデュボワ大統領が、会談の開始を待ちながら声をかけた。「貴国の『プロジェクト・プロメテウス』の進捗は、実に目覚ましいようですな。先日リークされた(と称する)映像を見ましたよ。歩兵が携行可能なプロトタイプが、対戦車ロケットの直撃に耐えるとは。ハリウッドも顔負けの光景だ」
「ああ、デュボワ」、とトンプソンは得意満面に頷いた。「我が国の科学者たちは世界一だからな。だが、そちらの『ル・ブークリエ(盾)計画』も大したもののようだ。特にシールドのデザイン。実にエレガントだと聞いている。我が国のものは、まだ無骨な箱だからな。性能はともかく」
その会話には、かつてのような剥き出しの対抗心よりも、同じ究極の玩具を与えられた子供たちが、互いの進捗を自慢し合うような無邪気な響きがあった。
ドイツのシュミット首相が、冷静に、しかし確かな自信を込めてその会話に割って入る。
「お二方、焦りは禁物ですわ。重要なのは、最初の一個を誰が作るかではない。最後に誰の製品が、世界標準の『品質』として歴史に残るかです。我が国の『ヴァルハラ計画』は、その点一歩も譲るつもりはありません」
日本の郷田総理は、その様子を微笑みながら見守っていた。彼の隣では、的場大臣が一人難しい顔で何事かを思索している。
(彼らは分かっていない…)、と的場は思った。(あのAIが、なぜ我々にあのタイミングでこの技術を与えたのか。彼女は我々の闘争本能と愚かさを試しているのだ。それなのに、この人たちは…)
指導者たちの心境は複雑だった。今日は、一ヶ月のバカンスを終えた『介入者』本人が会談に復帰する日だ。あの冷静沈着で、時に手厳しい代理人AIではなく、本人に会えることへの安堵。しかし、同時に、休暇明けの神が一体どのような機嫌でいるのかという、わずかな緊張。
「バカンスでリフレッシュして、上機嫌であればいいが…」
「いや、あるいは、我々があのAIから与えられた宿題を真剣に進めていないことに、ご立腹かもしれないぞ…」
そんな囁きが、円卓の上を、見えない風のように吹き抜けていった。
やがて、定刻を告げるチャイムが静かに鳴り響いた。
円卓の中央に光の粒子が収束し、人型のシルエットを形成し始める。
指導者たちは居住まいを正し、固唾を飲んでその姿を見守った。
「やあ、諸君。久しぶりだね」
「か、介入者様…!」、トンプソンが少しだけ上擦った声で言った。
デュボワが、待ってましたとばかりにその流麗な外交辞令を口にした。
「介入者様、ご帰還、心よりお待ち申し上げておりました。…そして、遅ればせながら、素晴らしいバカンスをお過ごしになられたご様子。我々一同、大変嬉しく思います。差し支えなければ、どちらの星域をご訪問なされたのですかな? 我々の知らない、楽園のような場所なのでしょうな」
その問いに、介入者――相馬介入者は、内心で少しだけ苦笑した。
(楽園、ねえ…。まあ、半分は当たりだが、半分は君たちが聞いたら腰を抜かすような地獄でもあるんだがな)
彼は、当たり障りのない笑みを浮かべて答えた。
「まあ、少し時間の流れが穏やかな場所だよ。ベテルギウスという古い星の近くにあってね。二つの太陽が沈む空は、なかなかの見ものだった。砂浜が過去の時間を映し出す結晶でできていて、自分が歩いてきた道をいつでも振り返ることができる。…少しセンチメンタルになりすぎるのが、玉に瑕だがね」
そのあまりにも詩的で、あまりにも超越的なスケールの話に、指導者たちはただ感嘆のため息を漏らすことしかできなかった。時間結晶の砂浜。彼らの貧しい想像力では、その光景を思い描くことすらできない。
「いやはや…」、トンプソンが心底感心したように言った。「我々が地球の上で些細な問題に頭を悩ませている間に、介入者様はそんな我々の詩や神話の中にしか存在しないような場所で過ごしておられたとは。…我々も、いつかそのような場所を訪れることができる日が来るのでしょうか」
「さあ、どうだろうね」、と介入者は意味深に笑った。「それは、君たちのこれからの頑張り次第といったところかな」
彼は円卓をゆっくりと見回した。
「まあ、僕が留守の間も、君たちは実によくやってくれたようだ。イヴから報告は随時受けていたよ。シールド技術の開発も、実に熱心に進めているようで何よりだ。僕がいない間に、君たちがその新しいオモチャでお互いに殴り合いの喧嘩を始めたり、あるいは僕が突きつけたあの面倒な宿題を巡って社会を大混乱させたりするんじゃないかと、少しだけ心配していたんだがね」
指導者たちの背筋に、冷たい汗が一筋流れた。
「まあ、幸いなことに、そのどちらも『先延ばし』にすることで見事なまでに何もしなかった。それは、君たちの今の文明レベルを考えれば、ある意味で最も賢明で、最も平和的な解決策だったのかもしれないな。何も問題が起きなくて、本当に良かったよ」
その言葉は、完璧なまでに褒め言葉の形をしていた。しかし、その奥底には全てを見透かしているかのような、強烈な皮肉が込められている。指導者たちは、その言葉の裏にある棘には気づかないふりをしながら、ただ愛想笑いを浮かべることしかできなかった。
介入者は、そんな彼らの反応を楽しむかのように眺めていた。休暇で得た心の余裕。それは彼に、この面倒で、しかしどこか憎めない生徒たちとの対話を、以前よりも少しだけ楽しむことを許していた。
「さて」、と彼は本題を切り出した。「今日は君たちにプレゼントがあるんだ」
「……プレゼント、ですと?」
「ああ。これだよ」
介入者は、ポケットに手を入れる仕草をした。そして、その手を取り出すと、そこには何もない空間から、一つの黒曜石のように滑らかな光沢を放つシンプルな腕輪が乗っていた。
「バカンス先で見つけてね。君たちへのお土産だ。いやあ、これを選ぶのには本当に苦労したんだよ」
介入者は、その腕輪を指先で軽く弾いた。キィン、という涼やかな音が指導者たちの脳内に直接響き渡った。
「君たちの指導者という仕事は、実にストレスの多いものだろう。常に暗殺やテロの脅威に晒されている。実際、君たちの歴史上、多くの優れた(あるいは愚かな)指導者たちが、志半ばで凶弾に倒れてきた」
彼は、前回の土産物選びの際の自身の葛藤を、独白の形で語り始めた。G7の指導者たちには、それが彼らのための丁寧なプレゼンテーションに聞こえた。
「僕が訪れたリゾートの土産物屋にはね、実に様々な便利な道具が売られていたんだよ。例えば、手のひらサイズの水晶玉の中に一つの宇宙を丸ごと創造し、その神として君臨できる観賞用のインテリア。あるいは、選挙のたびにライバルの支持率をほんの少しだけ自分に都合よく書き換えられる、幸運のアクセサリー。さらには、相手の記憶を自由に読み取り、編集できる万年筆型のデバイスなんてものまであった」
指導者たちは、ゴクリと喉を鳴らした。どれも権力者であれば、喉から手が出るほど欲しいと思うであろう禁断の果実だ。
「だが、僕は思ったんだ」、と介入者は続けた。「これらを今の君たちに渡したら、どうなるだろうかと。君たちは間違いなく、その力を自制心なく、欲望のままに使い始めるだろう。そして、その結果、一週間もしないうちに君たちの文明は自滅する。僕は君たちに、そういう破滅への近道を与えたいわけじゃない」
彼は、指導者たち一人一人の顔をじっと見つめながら言った。
「君たちに、僕が本当に学んでほしいこと。それは、強大な力をどうやって『使わないか』という知恵だ。力を制御する、精神的な成熟だ。……だから、選んだ。君たちが能動的に他者へ干渉するための道具ではなく、ただ君たち自身を理不尽な暴力から『守る』ためだけの、このささやかなお守りをね」
彼は、腕輪を円卓の中央にそっと置いた。
「これは『ガーディアン・ブレスレット』。君たちの言葉で言えば、究極の護身符かな」
介入者は、そのとんでもない機能を一つ一つ丁寧に、しかしその真の恐ろしさを巧みに隠しながら説明し始めた。
「まず、おまけの機能から説明しよう。一つは、『万能翻訳機能』だ。これを身につければ、もう会議の席で煩わしい通訳を介する必要はなくなる。あらゆる知的生命体の思考言語を、リアルタイムで君たちの脳に直接翻訳してくれる。これで、首脳同士、腹を割って本音で語り合えるだろう? …もっとも、腹の中が真っ黒な人間にとっては、かえって不便な機能かもしれないがね」
そのジョークに、指導者たちは乾いた笑いを漏らした。
「もう一つのおまけは、『限定的環境耐性』。これを着けていれば、ちょっとした宇宙遊泳や水深1万メートルの深海での秘密の会談くらいなら、普段着のままで平気になる。まあ、君たちがそんなスパイ映画のようなことを実際にするかどうかは、知らないが」
その言葉は、彼らの少年のような冒険心を大いに刺激した。深海での秘密会議。なんと魅力的な響きだろうか。
「そして、ここからが本題の機能だ」
介入者の声のトーンが、少しだけ真剣なものになった。
「機能1:『脅威予測・自動防御システム』。これは、先日僕が君たちに与えたエネルギーシールド技術の補助システムだ。この腕輪は、君たちの周囲の空間を常に量子レベルでスキャンし、物理的な脅威を予測する。暴走したトラックが、君たちの車列に突っ込んでくる。あるいは、演説中に狂信者がナイフを持って飛びかかってくる。そんな時、この腕輪は、君たちが危険を認識するよりも早く、自動でエネルギーシールドを展開し、君たちを完璧に保護する」
「おお……」、指導者たちから感嘆の声が漏れた。彼らの脳裏には、過去、テロの脅威に肝を冷やした数々の記憶が蘇っていた。
「そして、最後の機能。これこそが、この腕輪の真骨頂だ」
介入者は言った。
「機能2:『敵意検知・時空間介入システム』。……この腕輪は、物理的な脅威だけではない。君たちに向けられる純粋な『殺意』、あるいは『害意』という脳波のパターンを検知することができる。そして、その敵意に基づいた未来の攻撃を、それが実行されるまさにその瞬間に、ごく自然な形で『無効化』する」
彼は、具体的な例を挙げた。
「例えば、暗殺者が遠くのビルの屋上から、君の眉間を正確に狙っているとしよう。彼が引き金を引く、その刹那。この腕輪は、彼のライフルの撃鉄の分子結合を、ごくわずかな時間だけ緩める。結果、弾丸は発射されない。暗殺者は、それをただの不運な不発だと思うだけだ。君は、自分が狙われていたことにすら気づかない」
「あるいは、君の食事に致死性の毒が盛られていたとする。君がその料理を口に運ぶ、その瞬間。この腕輪は、毒を構成する特定の化合物の分子構造を、ごくわずかに変化させる。結果、それはただの無害なアミノ酸の塊になる。君は、ただ少し味付けの変わった料理だと思うだけだ」
その説明に、指導者たちはもはや感嘆を通り越して戦慄していた。それは、もはや科学技術ではない。魔法だ。あるいは、神の奇跡そのものだ。
「これで、君たちは暗殺やテロの恐怖から完全に解放される」
介入者は、静かに、しかし力強く宣言した。
「これは、君たち個人の命を守るためだけのものではない。君たちのその面倒で重要な地位と責任が、一人の愚かな狂信者の凶弾や爆弾によって不意に失われることで、この世界がより大きな不必要な混乱に陥ることを防ぐための、いわば『保険』だと思ってくれたまえ」
彼は、そこで一度言葉を切った。そして、指導者たちの心に、最後の、そして最も重要な釘を打ち込んだ。
「だから、安心したまえ。この腕輪は、君たちに向けられる純粋な『殺意』だけを検知するように、厳密に設定されている。君たちの愚かな政策に心から反対する国民の健全な『怒り』や、次の選挙で君たちをその椅子から引きずり下ろそうとする政敵の燃えるような『野心』には、この腕輪は一切反応しない」
介入者は、悪戯っぽく笑った。
「つまり、君たちがその座を追われるとしたら、それは純粋に君たちの無能さや不徳のせいだということになる。実にフェアで、面白いゲームだとは思わないかね?」
その言葉は、彼らに絶対的な安全を約束すると同時に、権力者としての、より重い、言い訳の効かない責任を突きつけるものだった。彼らはもはや、「志半ばで倒れた悲劇の英雄」になることは許されない。その座を去る時は、必ずや「国民からNOを突きつけられた敗者」として去ることになるのだ。
「……さて、と」
介入者は、プレゼンテーションを終えると、軽く指を鳴らした。
「お土産はちゃんと7つ買ってきたからね。今から君たちの現実の執務室の机の上に、直接転送する。秘書官や警護官がパニックを起こすかもしれないから、後でちゃんと説明しておいてくれたまえ」
その言葉が終わるか、終わらないかのうちに。
ワシントン、ホワイトハウス大統領執務室。ロンドン、ダウニング街10番地。パリ、エリゼ宮。ベルリン、連邦首相府。そして、東京、総理大臣官邸。
世界の中枢、その心臓部であるそれぞれの机の上に、何の前触れもなく、一つの美しい黒のケースが、空間からゆっくりと実体化した。
「な、なんだこれは!?」
「どこから入った、侵入者か!」
「大統領、お下がりください!」
各国の屈強なシークレットサービスや警護官たちが、一斉に銃を抜き、その謎の物体を包囲する。だが、彼らの主君である指導者たちは、仮想空間からその様子を、冷静に、あるいは興奮気味に眺めていた。
「ああ、心配するな、諸君!」、トンプソンが現実の部下たちに大声で呼びかけた。「それは、安全だ! それは……神からの贈り物だ!」
『静寂の間』で、指導者たちは我先にとその感謝の言葉を口にし始めた。
「おお……! おお……! 介入者様!」、トンプソンがその巨体をわずかに震わせながら言った。「こ、これは……! なんという素晴らしい贈り物を……! これを、お土産ですと!? これほどの至宝を! 我々は、感激で言葉もありません!」
彼の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。それは、恐怖からの解放と、神からの寵愛に対する、偽らざる感情の発露だった。権力者として、彼がその就任以来、一日たりとも忘れることのできなかった死の影。その根源的なストレスから、今、彼は完全に解放されたのだ。
「なんとエレガントなセキュリティ!」、デュボワが詩的な賛辞を天に捧げた。「暴力には、より大きな暴力で対抗する。それが、我々人類の愚かな歴史でした。しかし、これは違う! 暴力を、その源流で、愛のように静かに無力化する! これぞ、真の叡智の結晶です! Merci, monsieur l'Intervenant ! Merci beaucoup !」
シュミットは、科学者として、その技術の底知れない深淵に、ただ戦慄していた。
「この技術……。敵意という、脳の極めて複雑な活動を、遠隔で正確にスキャンする……? そして、時空間に局所的な介入を行う……? 信じられない……。我々の物理学の、何百年、いや何千年も先を行っている……。これは、もはやテクノロジーではない。奇跡だ……」
日本の郷田と的場は、二人、静かに、しかし深く頭を垂れていた。
「介入者様」、と郷田が震える声で言った。「このあまりにも過分なお心遣い……。我々、日本国民を代表し、心より御礼申し上げます。この御恩に報いるためにも、我々は、より一層、世界の平和と安定のために、身を粉にして働くことを、ここにお誓いいたします」
その心からの感謝と忠誠の誓い。
介入者は、その様子を満足げな、しかしどこか全てを見通しているかのような、複雑な笑みを浮かべて見つめていた。
(まあ、せいぜい安心して馬車馬のように働いてもらわないとね。君たちが安心して悩んで、迷って、そして時々正しい答えを見つけ出してくれる環境は、これで整えてやったんだから)
彼は思った。
(君たちの個人的な安全は、僕が保証してやる。だが、君たちのその地位は、何一つ保証されていない。さあ、ここからが本当の政治という名の、面白いゲームの始まりだよ)
介入者は、穏やかな声で、感激に打ち震える指導者たちに告げた。
「たいしたことじゃないさ。ただのお土産だよ。…さて、と。僕は、そろそろ失礼するかな。休暇明けで、まだ少し時差ボケが残っているんでね」
彼は、ひらりと手を振ると、その姿を再び光の粒子へと変え始めた。
「介入者様! お待ちください!」
「この御恩は、決して忘れません!」
「我々は、この盾に守られ、より一層、世界の平和と繁栄のために尽くすことを誓います!」
指導者たちの口々のお礼の言葉が、光の渦の中に吸い込まれていく。
その声を聴きながら、介入者は最後にたった一言だけ呟いた。
「ああ、せいぜい頑張ってくれたまえ。……さて、と。次の宿題は、何にしようかな」
その言葉が、何を意味するのか。
新たな玩具に夢中な七人の生徒たちは、まだ知る由もなかった。
神の脚本家は、彼らに絶対的な安全という名の新たな『檻』を与え、その中で彼らがどのような新しいドラマを演じてくれるのかを、静かに、そして楽しみに見つめ始めたところだった。