24 ☆『質量』・『万有引力』・『重力』の“起源”と“仕組み(メカニズム)”に関する考察:まとめ①
“空間”と“次元”に関する考察は前項までで終了となります。
ただ、これまでに行ってきた“空間”と“次元”の考察は、残念ながら実証実験等での証明はほぼ不可能でしょう。空間自体の増減を認識する方法が現状では確立されていないからです。
なので、その部分に関してはあくまで現実の在り様が考察通りであることが前提とはなりますが、実際の実験で観測・検証された事実も踏まえて、考察のまとめとしてこれまで謎とされていた部分も含めた『質量』・『万有引力』・『重力』の本来の姿の解明を試みようと思います。
考察の出発点は『一般相対性理論』の柱となる考え方の一つである『等価原理』を厳密に適用すると『古典力学』の『運動方程式』と、『重力』及び『万有引力』との式を見比べた時に整合性が取れない部分が見られることでした。
そこで『等価原理』を優先して両者の関係性を整理しようというのがこの考察の趣旨なのですが、考察を進めるうちに明らかになってきたのは『質量』『万有引力』と『加速度』の間に密接な関係がありそうだという事実です。
“加速度”は速度の単位時間当たりの変化率のことであり、速度は単位時間ごとに移動する距離のことですから、『質量』『万有引力』を理解するには“空間”を理解できていることが前提になるでしょう。
ですから、一見遠回りに見える“次元”と“空間”の関係を解き明かすことは、これらの現象を解明するためには絶対に必要な前提条件だったわけです。
それに加えて、もう一つ知っておくべきことがあります。
それは“力”とは何か? ということです。
『質量』『万有引力』『重力』
これらを理解するためのツールが“次元”と“空間”ならば、解き明かす鍵となるのは“力”というものの本質的な理解だと思っています。
理解のための手始めとして、まずこの世界に存在する“力”を三種類のエネルギーに分類していこうと思います。
☆一つ目はその場にとどまることなく一定の速度で拡散する力です。
具体例としては、前記の物体同士を近づける作用を発揮する『万有引力』がそうなります。『電場』『磁場』『クーロン力(引斥力)』も同様です。
あとは『光(電磁波)』もこちらに分類されます。それらの力が空間を伝わる速度はすべて等しく『光速』となります。
これらは場に作用する力であることから『力場エネルギー』としましょう。
☆二つ目は、一つ目とは逆に『質量』のように静止(運動エネルギーがゼロ)状態にあって空間に作用する現象『万有引力』を発生させる存在(物体)が持つ力です
『質量』のほかには『電荷』も同様に空間に作用する現象を起こしますが、『万有引力』のように物体同士を近づける作用のみを発生させる『質量』と異なり、『電荷』は『電場』『磁場』『クーロン力(引斥力)』と三種類の異なった力場に作用するため、全く同じ力というわけではありません。ですが、分類としてはこちらに置くのがふさわしいでしょう。
これら二つの力をまとめて『慣性エネルギー』とします。
☆三つめは、二つ目のエネルギーに加減速の力を加えたものになります。一般に『運動エネルギー』と呼ばれているものですが、これはそのまま使っても構わないでしょう。
『質量』と『電荷』は同じカテゴリーに分類していますが、お互いの力が及ぼす現象の影響は受けても、作用を受けたり与えたりといった相互作用は発生しません。
『質量』は『電場』や『磁場』を生み出しませんし、『電荷』が作用するのはあくまでも『電荷』を由来に発生した力であり、『質量』そのものではありません。
この事実は、おそらく私たちが住む世界は『物質空間』と『電荷空間』の二重構造でできていることを示唆しているように受け止められます。
今の話をまとめると、私たちの世界は『物質空間』と『電荷空間』が重なり合った二重構造でできており、それぞれの空間に結び付いたエネルギーが存在しています。
そして、それらのエネルギーはさらに ① 『力場エネルギー』 ② 『慣性エネルギー』 ③ 『運動エネルギー』の三種類に分かれており、この世界にあまねく存在する力はこの三種類のいずれかに分類されます。




