12 『等価原理』④
別の視点での検証も行ってみましょう。
密閉された箱の天井付近の壁から支柱を伸ばし、用意した10kgの重り“B”を10gの紐“A”で吊り下げます。
もう一つ10kgの重り“D”を用意し、10gの紐“C”で重り“B”とつなげます。
これで支柱には10gの紐、10kgの重り、10gの紐、10kgの重りの順に四つの物体がつながっていて、合計で20.02kgの荷重がかかっている計算になります。
次に四つのシチュエーションを用意します。
1 重力圏内・重力加速度1G下での自由落下
2 同じく1G下での静止状態
3 宇宙・無重力空間での静止状態
4 同じく宇宙・無重力空間での1G加速
1 箱の中は“A”(紐)“B”(重り)“C”(紐)“D”(重り)のいずれの物体にも重力(荷重)がかかっていない状態になっている。よって支柱にかかる荷重も0kg重。
外部の観測者からは毎秒9.8m/sの度合いで速度を上げながら地表に向かって移動しているように映っている。つまり箱と地表の距離が加速度的に縮まっている状態にある。
2 箱の中の物体は静止状態にあるが、“C”には“D”の質量分の10kg重の荷重が、“B”には“C”と“D”を足した10.01kg重の荷重が、“A”には“B”と“C”と“D”を足した20.01kg重の、そして支柱にはそれらの物体すべての荷重を足し合わせた20.02kg重の荷重がかかっている。
外部の観測者からは静止状態に映っている。
3 箱の中は①と同じく、いずれの物体にも重力(荷重)がかかっていない状態。よって支柱にかかる荷重も同じように0kg重。
外部の観測者からは①とは違い、静止状態を保っているように映っている。
4 箱の中は②と同じく“C”は“D”の、“B”は“C”と“D”の、“A”は“B”と“C”と“D”の、そして支柱はすべての物体の質量の合計×加速度1G、つまり20.02kg重の下向きの荷重がかかっている。
観測者からは上向きに加速しているように映っている。もし箱の中が見えるなら荷重がかかる逆向きに進行している様子が見られるだろう。そして箱②の状況との間に差を見つけることは不可能だろう。
動きとしては①と対照的な運動(逆方向に加速)している。
以上の比較検証により、自由落下(万有引力のみが働いている)状態の①と加速度運動をしている④は空間対称性を持っており、『万有引力』は逆ベクトルの加速度と同等であることが確認できたといってもいいでしょう。
ここまでの経緯を簡単な言葉で要約すると、「『万有引力』が『加速度』であるという事実が明らかになった」ということにします。