01.中学1番ノ晴れ舞台
ゲームカウント2-2のファイナルゲーム
「4-6!」と審判
「お前ら、ここのサーブ重要だぞ!」と監督
私は集中するためにボールをつく。
「ふー...ようし!」と私
ボールを少し前にトスし勢いよくラケットを振る。字として書けば簡単のように見える...実際プロからしたら簡単なのであろう。ただ私達は中学生で最後の大会に挑んでいるのだ。しかも相手がマッチポイント。別に私達のペアが一番手と言うわけではないが後ろにはサイドコーチとして監督がいる。この状況下での緊張感、生きた心地がしない...
パンッ!サーブを打つ。
「フォルト!」と審判
「ドンマイ!切り替えてこー!」とペアの高木君。
ゆっくりと下からラケットを振る...
「あっ...」と私
ボールがネットに掛かってしまった。これで私達は負けたのだ。
「ゲームセット」と審判
中学生時代の部活はこれで幕を閉じる...私はこの瞬間の為に練習をしていたと思うと悔しい...いや、そんなレベルの話ではない。仲間との2年半の練習がこの試合で消えたのだ。
「兵庫県立桃花中学 高木、砂子ペア対兵庫県立伊賀佐中学 長谷川、成瀬ペアはゲームカウント2-2ポイント4-7で伊賀佐中学の勝ちです。ありがとうございました。」審判
「ありがとうございました。」と私達選手
ナイスゲーム!お疲れ様!良かったよ!こんな慰めの言葉が飛ぶ。でも負けた。私達は伊賀佐中に負けた。何処がナイスゲームだ。勝って掛けられるべきの言葉のはず。そんな思いの中私達は引退した。
9ヶ月後私は兵庫県立吾妻高校に入学した。
「萊葉〜部活何処入る?」
「うーんどうしようかなあ...やっぱソフトテニスで全国行ってみたいなー」と私(萊葉)
「やっぱ萊葉はそうやんな。私どうしよ〜」と私の友達東方美玖が言う
「一緒にソフトテニスで全国目指さないッ?」ちょっと感情的になって言った。
「でも...全国なんて...兵庫とか強豪ばっかだよぉ?そもそも兵庫で全国に行くと言うこと自体が間違っ...」
「まだ決まってないのに強豪が居るって言うことだけで諦めてるの?」食い気味に私が返す
「それはそうだけど..吾妻高校のテニス部って弱小だしまともな練習場所もないよ?」と美玖
「私達が強くなれば問題無いよ!行こう!」と私
「わかったよ、ソフトテニス部入るよ。てか私テニスの知識ないし、ソフトテニスと硬式って何が違うの?」と美玖
「えー!そこからぁ?!」と私
一週間後
入部届も出して今日から練習だ。中学の時とは全く違う。体力などの肉体的な意味でも、雰囲気みたいな精神的な意味でも。
「お願いします!」と一年部員
「はい、よろしく!」と2、3年部員
一年生は3人、二年生は4人、三年生は2人。
テニスコートは二面しかないし防球ネットはない。テニスボールは一かご分しかない。ここで三年間過ごすのかと思いつつ、監督を待つ。
「おっし、一年は1人初っ端から風邪ひいて休みだからその子以外は全員揃ってるな。」と若い男の人が言った。
「こんにちは!」と先輩達が挨拶する
「こ、こんにちは!」と私達一年も急いで挨拶する。この人が監督らしい。年齢は27歳くらいに見える。私が中学の頃の監督は50代くらいで色んな事を教えてくれた。それも監督の実体験をもとにしたリアリティのある説明で私も納得していた。
「集合!」と3年生の先輩が号令を掛けた。
監督の元へ集まりミーティングだ。
「え〜と、今日から一年生が練習に入る。まあそうやなあ...とりあえず練習より先に自己紹介からやな。俺はちょっとやる事あるから君らの自己紹介は聞けないから俺が自語りになってしまうが自己紹介しておこう。俺の名前は羽山凛月、年齢は26だ。趣味はやっぱテニス。テニス歴は16年だ。」と監督
16年...途轍もなく長い時間をテニスに費やしてきたのだろう。ただ時間を掛けて練習しただけで上手くなるわけじゃ無い。
「自己紹介も終えたし俺は職員会議で離席する。じゃああとは三年よろしく。」と監督
「それじゃあまず私達三年からかな?」と3年生の先輩が言う
「自己紹介はキャプテンの私から行くね。私は花山咲、ポジションは後衛で趣味は電車に乗って景色を見る事かな。テニス歴は6年よろしくね。」
この人はキャプテンらしい。あまり後衛っぽい雰囲気は感じないどちらかと言うと身長が高く前衛向きっぽい。
「次は私副キャプテン。うちは大東聡美、前衛だよ。趣味はテニス...って言うとつまんない人間になるから...特に無いや、やっぱ趣味テニスで!テニス歴は8年よろしくー」
副キャプテン確かに身長が高いし気が強そう。
「2年は名前だけな〜」と花山先輩
「小浜春乃でーす」
「日旗菜穂です」
「伊丹弥生です。よろしく〜」
「最後は私荒木莉桜です。よろしく」
2年生が終わり私達の番がやってきた。まあ難なく終わる。
「私は東方美玖です。」
「私は砂子萊葉です」
「らいは?漢字ってどう書くの?」キャプテンが言う
「蓬莱とかの萊に葉っぱの葉で萊葉です。」と美玖が言う
「えっちょっとそれ私が説明するんじゃ...」と私が言う
「え?あんた頭悪いからどうせ説明出来んやろ?」と美玖が返す。
本当に殴ってやろうかと思った。流石にそんなことはしないけど。
「あ、そういや聡美〜今日から練習場所男テニと一緒でコート数増えるんでしょ?私ら移動じゃね?」とキャプテン
「そうだっけ?監督の話聞いてないうちに言われてもなあ...」副キャプテンが返す
「みんなー移動するよ〜」とキャプテン
これからどんな練習になるのか楽しみだ。どんな練習でも受けて立つ!




