夏の雨
雨の降る
暑い夏の日の午後
あなたは私の傘から
出ていった
駆け出すあなたの背中を
私から隠すように
雨の帳が打ちつける
出逢いも確か雨の夏の日
コンビニの最後の傘を
譲り合ってた
ふたりで買って
私があなたを駅まで送った
この傘は
ふたりのもの
こっそり描いた
内側の「愛愛傘」
雨に滲んで溶けてゆく
ひき止める言葉が見つからない
こんな日が来るなんて思いもしないから
ふたりで行った
コンビニの傘立てにそっと
ふたりの傘を置いた
さよなら夏の雨
「2019年6月23日」