表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニセ勇者パーティ、はじめました ~名声を悪用するつもりが、本物より活躍している件について~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/107

第87話 聖剣の力

 勇者がじっと俺を見つめる。

 視線が足元から頭までを何度か往復した。

 少し笑った勇者は、俺を指差して指摘する。


「今更なんだけど、とんでもない姿になっているね。魔族と見間違えそうになったよ」


「黙ってろ。こっちは必死なんだよ」


 俺は勇者の言葉を聞き流して、眼前の城に意識を集中する。

 漆黒の城は、絶望的な魔力を循環させながら堂々と君臨していた。

 魔王は動かなかったのではない。

 元から動けなかったのである。

 さらに言うなら、動く必要もないのだろう。


(これが魔王なんて、馬鹿げていやがる)


 一体どうやって倒せばいいというのだ。

 そんな疑問を察したのか、勇者が現状を説明する。


「まずは門を突破しないと城内に入れないんだ。だけど、かなり頑丈になっていてね。ちょっと苦戦している状態だよ」


「出し惜しみせずに全力でいけよ。お前らなら破れるだろ」


「へぇ、信頼してくれるんだ」


「勘違いすんな。こっちの命が懸かってるんだ。温存とか余計なことを考えるなよ」


「うーん……確かに偽勇者さんの言う通りだねー。少し見込みが甘かったみたいだ。ここは一気に突破するのが優先かな」


 思案した勇者は、元剣聖に何かを伝えた。

 すぐに頷いた元剣聖が剣を構える。

 あれは集合場所の遺跡で力を解放した聖剣だろうか。


 迸る燐光が頭上まで伸び、雨のように降って勇者パーティを包み込む。

 間近で見ていた俺は、顔を顰めながら尋ねた。


「とんでもない魔力……いや、聖属性か? 近くにいるだけで苦しくなるんだが」


「これが聖剣の真の力だよ。解放された聖剣は、絆で結ばれた者に聖なる力を付与できるんだ。これでパーティ全員の攻撃に聖属性が加わって魔王特効になる」


 燐光を帯びる勇者は、確かに聖属性の力を持っているようだ。

 他の連中もそうだった。

 ただし、俺達のパーティに関しては何の変化もない。


「……こっちには聖なる力が宿ってねぇが」


「言ったでしょ。絆で結ばれた仲間だけが条件なんだ」


「そうかい。分かったぜ、クソッタレ」


 俺は悪態を吐く。

 まあ、どのみち聖属性を貰っても俺にとっては毒だ。

 絆がなかったことを喜んでおくべきか。


 その間に勇者パーティが動き出す。

 彼らは閉ざされた門へと一斉攻撃を開始した。


「みんな、まずは門を切り開くよ!」


 聖属性の一斉攻撃により、魔王城の門が歪んでいく。

 徐々にだが着実に開かれようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! [一言] 続きも楽しみにしています!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ