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ニセ勇者パーティ、はじめました ~名声を悪用するつもりが、本物より活躍している件について~  作者: 結城 からく


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第84話 魔族化の本領

 幹部ゴブリンが驚愕し、思わぬ重傷に後ずさる。

 傷口から臓腑が溢れ出して、ほぼ同時に吐血した。


「グ、フゥ……」


 よろめく幹部ゴブリンだったが、その目から戦意は消えていない。

 即座に斧を掲げると、俺に向けて叩き付けてきた。

 そこにミィナが割り込んでくる。


「ジタン様っ」


 ミィナは斧を横から蹴飛ばして軌道をずらした。

 斬撃は地面に炸裂する。

 幹部ゴブリンが斧を引き抜こうとしたので、俺はその隙に跳びかかった。


 両手の爪で幹部ゴブリンの眼球を潰す。

 閉じた瞼に防がれるも、強引に押し込むようにして切り裂く。


「うごあああああぁぁぁっ!」


 幹部ゴブリンが吼えて、斧を諦めて俺の胴体を鷲掴みにした。

 そのまま全力で握り潰してくる。

 ふざけた力で胴体が圧縮される。

 骨が一気に砕けて、内臓の潰れる痛みに襲われた。


「ぶぐぉっ」


 俺は勢いよく血を噴き出した。

 どろどろになった内臓も一緒に吐く。

 あまりの苦痛に痙攣し、目の前が雷に打たれたように明滅する。


 幹部ゴブリンがもう一方の手を掲げて、さらに滅多打ちにしてきた。

 掴んだ俺を遠慮なく殴ってくる。

 すべてが全力の攻撃だった。


 身体が、壊れていく。

 もはや自分がどうなっているのか分からない。

 握り潰されながら執拗に殴打されていた。


 このまま意識が途切れるかと思いきや、だんだんと痛みに慣れてくる。

 胴体が膨らんで握力に対抗し、殴られる衝撃が体表付近だけに留まった。

 魔族化による再生能力のおかげだ。

 負傷した箇所が人間を捨てたことで強靭になっているのだろう。


 やがて視界も良好になる。

 両目を失った幹部ゴブリンは俺だけを集中攻撃していた。

 一人ずつ確実に殺す戦法らしい。


 その間、ミィナが猛烈な勢いで打撃を浴びせていた。

 幹部ゴブリンの足腰を破壊しようとしている。

 ウォルドとメニは中距離から氷の礫を飛ばして攻撃していた。

 さらに周囲から集まる魔族の討伐を行っている。


 幹部ゴブリンは歯を食い縛りながら猛打を繰り返していた。

 叩き込まれる攻撃は一切無視だ。

 なにがなんでも俺を道連れにするつもりらしい。

 魔王に対する忠誠心だろう。


「ちく、しょう、が……」


 俺は魔族の腕を掲げて、幹部ゴブリンの殴打を防御した。

 もう一方の手は、胴体を掴む太い指に添える。

 小刻みに爪を前後させて、拘束を切り落としにかかる。


 魔族の爪はかなり鋭い。

 丹念にやれば幹部ゴブリンの指さえ切断できた。

 三本目まで達成したところで、俺はようやく拘束から逃れる。

 拳を躱しながら跳躍し、幹部ゴブリンの肩に着地した。


 俺は刃のように伸びた爪を擦り鳴らす。

 そして、血みどろの顔でほくそ笑んだ。


「くたばりやがれ、雑魚ゴブリンが」


 太い手に掴まれながらも爪を突き下ろす。

 その一撃は幹部ゴブリンの頭蓋を貫通し、脳を激しく掻き乱した。

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