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ニセ勇者パーティ、はじめました ~名声を悪用するつもりが、本物より活躍している件について~  作者: 結城 からく


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第81話 黒い丘陵

 俺達は黒い丘陵地帯を突き進んでいく。

 先頭を進むのはウォルドとメニだ。

 二人が連携して氷の力を展開し、周囲を牽制している。

 さらには魔族の動きを阻んで攻撃が通りやすいように援護してくれていた。


 常に魔力を消費しているが、ここは魔力が潤沢だ。

 瘴気で息苦しい部分もあるものの、能力は最大限に発揮できるらしい。


 俺とミィナは二人を追って疾走する。

 左右から現われる魔族を撃退しながら止まらずに進んだ。

 なるべく敵の少ない経路を選び、包囲されないように注意しながら無数の丘を突破する。


 こうして連続で戦って分かったが、今の俺は絶好調である。

 魔族化を使わずとも十分な力を発揮できていた。

 大気に混ざる魔力を無尽蔵に吸収することで、消耗も気にせず身体強化も併用できる。

 結果として襲いかかってくる魔族どもを叩き潰すのに苦労することはなかった。


 その点で言うと、最も大変そうなのはミィナだった。

 優れた身体能力を有する彼女だが、瘴気だらけの環境が厳しいようだ。

 先ほどから息切れが激しい。

 治癒魔術で症状を緩和しても、体調不良が続いていた。


 俺は魔族が来ない瞬間を見計らって尋ねる。


「大丈夫か? 不味そうならどこかで休息するが」


「問題、ありませんっ! ここで止まると、皆さんに迷惑が、かかるのでッ!」


 ミィナは強い口調で答えた。

 無理をしているのは明らかだった。

 しかし、彼女は誰よりも強い意志を持ってこの場にいる。

 足手まといにならないように、自らの役目を全うしているのだ。


 ミィナは勇者パーティのことも気遣っている。

 自分達が遅れて奴らに迷惑をかけないようにしたいのだろう。

 別に構わないと俺は思うのだが、ミィナとしては我慢ならないらしい。

 なんとも律儀な性格だと思う。


(心配せずとも奴らが勝手に終わらせるとも思うんだがなぁ……)


 俺は前方へと意識を集中させて、魔力を探ってみる。

 密集する魔族の反応の只中に空白地帯があった。

 それが勇者パーティだ。

 奴らは誰一人と欠けることなく、遥か先を進んでいる。


 勇者パーティはかなりの速度が出ていた。

 俺達の数倍で移動できているのは、何らかの魔術を使っているからだろう。

 おそらくは元賢者の仕業と思われる。


 確かにあいつらが俺達を足並みを揃えようとした場合、せっかくの速度が使えなくなってしまう。

 別行動は正解だった。


 そんな勇者パーティのさらに先――この丘陵地帯の最奥に不気味な反応がある。

 本来なら俺には感知できないほど遠い距離だが、はっきりと存在が伝わってくる。

 それほどまでに異質なのだ。

 大量の配下を置いて鎮座しているのは、間違いなく魔王だった。

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