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ニセ勇者パーティ、はじめました ~名声を悪用するつもりが、本物より活躍している件について~  作者: 結城 からく


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第43話 変貌の刺激

 場に殺意が充満している。

 勇者パーティと使者一団が睨み合っている状況だった。


 使者一団は弓や杖を構えている。

 今にも矢か魔術が飛んできそうだ。

 向こうは虚勢や脅しではなく、本気で仕掛けてくるつもりらしい。

 戦闘は既に始まっていた。


 俺は堂々としながらも内心で悩む。


(どうやって戦えばいいんだ。馬鹿正直に相手をするのは分が悪すぎる)


 威勢よく啖呵は切ったものの、これといった打開策は持ち合わせていない。

 正直、そこそこ困っていた。

 相手の数は五十人くらいで、一部はなかなかの実力者なのが分かる。

 戦闘技能は間違いなく俺より上だろう。


 対する俺達は四人だ。

 関所の兵士はどちらかと言うと味方側だが、あまり役に立ちそうにない。

 勘定に入れるべきではないだろう。


 そうなると四人で五十人の相手をすることになる。

 まともにやれば敗北は必至であった。

 この状況で切れる手札を考えねばならない。


(俺達が最も有利な環境を作るんだ。数の利を活かせないようにして戦う方法があるはず……)


 使者達を睨みながら思案する。

 そして、僅かな時間で閃くことができた。


 我ながら画期的な発想だった。

 成功率は非常に高く、なかなかに堅実である。

 もちろん多少は身体を張ることになるが、五十人に自殺特攻をかまさずに済むのだから文句は言えない。


 緊張感に満ちた静寂が漂う中、俺は唐突に後ろを向くと、ミィナを小脇に抱えて駆け出した。

 全力で地面を蹴って進みながら、ウォルドとメニに向かって叫ぶ。


「逃げるぞォッ! このまま一気に走れェ!」


 二人が動き出したのを見計らって、抱えていたミィナを降ろす。

 彼女は軽やかに着地すると、誰よりも凄まじい加速を以て先頭へ飛び出した。

 俺達は驚く兵士を横目に関所の先へと走り抜けていく。


「う、撃てぇ! 絶対にここから逃がすな! 勇者の居場所を吐かせるんだ!」


 後方から優男の怒鳴り声が聞こえてくる。

 それに続いて矢と魔術が飛来してきた。

 正確に狙ってきたというより、数に任せてばら撒いた感じだ。

 素早く命中させることだけを優先したのだろう。


 飛んでくる攻撃に対し、俺達四人はそれぞれ反応を示す。

 メニは拳の連打で被弾を防いだ。

 彼女と共に行動するウォルドも当然ながら無傷である。

 ミィナは獣人族の身体能力を活かして回避した。


 俺は全力の身体強化を施しつつ、片手で後頭部を守りながら走る。

 背中に衝撃が来る。

 見れば矢と岩の礫が刺さっていた。


 感覚からしてそこまで大きな傷ではないだろう。

 命中箇所は黒ずんだ部位――すなわち移植した魔族の肉体だった。

 もし人間の部位なら簡単に貫通していたに違いない。

 さっそく有用性が発揮された瞬間だった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! >移植した魔族の肉体 >さっそく有用性が発揮された瞬間だった。 この切り札を手に入れていたからこそ、閃けた策ですな。 (もちろんジタンの切り札はこれだけで…
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