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大・中・小


ハッ、危なかった。鼻キスとか刺激が強すぎる。奇跡的に致命傷ですんで良かった。一瞬意識が飛んだ気がする。


バロンの魅了攻撃をクリティカルしながら道を進んでいるうちに冒険者ギルドらしき建物が見えてきた。



赤煉瓦の横に長い建物だ。中央部分のみ路地に少し出っ張っていて、その左右に青みがかった薄灰色の三角錐型の屋根が付いた塔がある。


塔には、それぞれ、武器と食べ物の看板が掛けられている。


塔に挟まれた真ん中には盾を背景に四匹の獣が睨みあう紋章が描かれている。


大きなアーチ状の窓が幾つも並ぶ三階建ての屋舎は形がどことなく校舎に似ている。中央の一階、大きく開いた入口からは人が疎らに出入りしているのが見える。


先程からプレイヤー探索者の姿が思っていたよりも少ない。


『イディオートの夢』は本日サービス開始である。もっと人で溢れて歩きにくいくらいを想像していたのに、散在するように見かけるだけで都会の歩道のような混雑はない。


チュートリアルで時間をかけすぎたのだろうか。



不思議に思いながらもギルドの門を潜ると遥かに高い天井が波打つ広いホールが現れた。


奥の方には木製の受付カウンターがあり、その上には大きなアーチ状の窓が見える。窓の向こうはカーテンで遮られており窺い知れない。


ひろーい。おおきーい。


感動に立ち止まり震える私の腕をバロンがなめる。


「にゃー」


ごめんなさい。こんなところで固まっていたら後から入る人の邪魔になるよね。



歩を進めたことで、受付カウンターに座る三人の女性が目に入った。みんなそれぞれ違った美人さんたちである。大・中・小だな。


とりあえず真ん中の受け付けに並ぶ。真ん中は小柄な清楚系美女である。


ちらりと横目で隣を確認する。お色気お姉さん。凄く大きい。私もあれくらい・・・


いや、私は別に小さくない。普通くらいだし。


なんか心に傷を負った気がするからバロンに頬を寄せて癒されよう。もふもふはすべてに勝る。きっと、そう。



右隣のお姉さんは背が高く、女性にもモテそうなスレンダーな美女である。凛々しい雰囲気で頼りがいがありそう。


右側のカウンターの手前には丸テーブルがいくつか並べられており、何人かがその周りを立って囲んでいる。その手にはジョッキ。黄色いし麦酒だろうか。


ここからでは、アーチ状の扉が見えるだけでわからないが、表の看板から言って右側に酒場がありそうだ。


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