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縦横無尽な走


出発前には使用中の看板で溢れていた運河の船宿にも幾らかの空きが生じ、昨日は街のボートハウスに泊まることができた。


ボートハウスの中は外見からは想像できない程に広く、ダイニングキッチンに大きなベッドの並ぶ寝室が複数あり、これなら1パーティで共有して使用するというのも納得と言うほどの空間を有していた。


私たちの場合は、猫と兎と猫獣人の3人パーティなのでかなりのびのびと寛ぐことができた。



食事は自分たちで調理するなり、屋台で買い食いするなり、各自で用意する必要があったため、初日にしたように屋台に繰り出した。


珍しくバロンから醸ジュースの注文が入り、屋台を探し歩く。


探していないときには普通に見つかるのに、探している時に限って見つからないのってなんでだろうね。


あんまりにも見つからないものだから、途中、以前にも食べた、あったか十字パンにアイギスが反応を示したので購入した。


その後、さて、捜索に戻ろうとしたところで後ろから醸ジュース売りのおじさんに声をかけられ、徒労感を味わう。数十分探し回っていたんだけどなぁ。



醸ジュースは以前購入した容器に入れてもらった。再使用可能な丈夫な硝子製の容器なので、容器に入った状態で購入するとそれなりの値段がする。


しかし、容器を持っている場合は中身のみの購入が可能で、価格も大分経済的だ。



「バロンは発酵したものが好き?」


宿船で買ってきた料理に舌鼓を打ちながら、バロンの好みを探る。


「発酵物・・・というより、酒じゃな」


「お酒・・・・・」


なんとバロンの好きなものはお酒らしい。さすがバロンさん、大人~。


でも、バロンって自称子猫じゃなかった?バロンは猫だけど猫じゃないし、子猫だけど子猫でもないから問題ないのか。



「まぁ、酒の中でも葡萄酒が一番じゃが・・・」


葡萄酒が買えるのは何処だろう。屋台では見かけなかったし、西の国でも見た記憶がない。


もし今度見かけたら、樽ごと購入してバロンに献上しよう。



・・・ところで、アイギスは何をしているの。醸ジュースを飲むたびに、炭酸でしびしびして、また、口をつけてしびびびびってなっている。


飲むのをやめないということは気に入っているということだろうか。


見ている分には面白いけれど、身体に異常はないんだよね?ステータス画面を開いても、特にHPが減っている様子もないので大丈夫なのだろう。


遠征用の飲み物に醸ジュースも加えようかなぁ。





そんな風に検討した夜から、草原へと意識を戻す。


草原では依然、バロンが楽しそうに爆走している。今度は運動会を始めたようだ。


縦横無尽に草原を駆けまわり、楽しそうに走っている。進路上にいた哀れな犠牲者たちがバロンに撥ね上げられて、ひき逃げされているのが視界の端に映る。


アイギスが後ろの惨状に気づかないように耳を覆う手に力を入れなおして、草原から視線を逸らす。


そう言えば、ステータスの確認が途中になっていたな。次にとるスキルはどれにしようか。



ルイーゼ        Lv.10  巫女見習い

HP 100%

MP 100%


            称号: ナビさんのお気に入り

                 猫の女王様


            スキル: テイム    従:  アイギス Lv.10☆

                              バロン

                  識別

                  応急手当

                  水魔法

                  医術

                  鼓舞

                  候補(木魔法、火魔法…etc.)


スキルポイント:16



アイギスのスキルとの兼ね合いもあるからどうしようかと画面をスライドさせて、見慣れぬ星マークを見つけた。


アイギスの名前の隣にあるこれは何ぞ。識別、は使えなかったから、指でつついてみる。



アイギス Lv.10    進化可能候補: ウォーパルJr.

                         ウィルターJr.

                         ダビット



え、進化?アイギス、もう進化できるの?でも、候補が皆人名ぽいのだけれど。


誰よ、ウィルターとかダビットって。ジュニアがいるってことはウォーパルさんとウィルターさんは既婚者なの?


いや、進化先ってことはこれが種族名なのかもしれない。識別も使えないし、どれを選べばいいのか決められそうにないぞ。

























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感想が届きました。ありがとうございます。

ちなみにぐ〇ぐ〇は全巻揃えるくらい好きです。

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