戦闘訓練
掲示板まとめ
・もふもふ食物連鎖 うさぎ―きつね―いぬ―ひと
・南の高台にて心臓泥棒多発中(なお犯人は鳶)
・白夢七不思議(不気味な黒猫、妖怪蛇置いてけ、どこからか落ちてくる謎の不審者、死なないおもちゃetc)
・ヘビコパスさん冤罪事件
・闘技大会開催とかぶる緊急クエスト
・おもちゃさんはパンドラの箱を開けました。
あれ、おもちゃさんからメッセが届いている。
おもちゃオッス!
おもちゃ通信の時間だよ!最近、探索者の間では二つの話題で持ちきりだよ!
1つは闘技大会!なんと象の像さんが闘技大会を開いてくれるらしい。開催日は7月36日から54日まで。開催場所は不明。今、参加希望者達が必死に探しているよ。
もう1つはパンドーラのピトス!世界中のあらゆる厄災の詰まったパンドラの箱が、何故だか、開いてしまったんだ。
このままでは最後に箱の底に残った希望まで逃げてしまう。それを防ぐためにもはやく閉じないといけないんだ。
でも、パンドーラのピトスがどこにあるのかわからなくて困っている。このままじゃ、皆に処される・・・・。タスケテ・・・・。
ps.パンドーラのピトスを見つけたら至急連絡をください。お願いします。
ワールドアナウンスと緊急クエストの話だったようだ。
おもちゃさんのメッセージに既視感を覚えてナビさんからのお知らせボックスを覗いてみたら「闘技大会開催のお知らせ」というメッセージと「緊急クエスト パンドーラのピトス」というクエストが届いていた。
闘技大会の方は開催予定の種目や当日行う賭け事の規則についてなどが記されている。
各種目の優勝者を当てた人には大会主催者からプレゼントがもらえるようだ。もちろん、大会優勝者にも賞金と賞品が授与される。
それだけでなく、開催日前の数週間はお祭りの屋台として戦闘訓練が行える施設が幾つか設営されるらしい。
ゲーム感覚で鍛えられる屋台もあるようで射的や輪投げならぬポーション投げもあるみたいだ。
食べ物関連の屋台も豊富に用意されており、大会に出場しない人でも楽しめそうな屋台も出される予定のようだが、まぁ、私は参加しないし、闘技大会の開催場所へ行く予定もないので関係ないな。
屋台でどんな物が食べられるのか非常に気になるけれど、行けないもんなぁ。
それから、もう一つの緊急クエストについて。
おもちゃさんの説明では部分的にパンドラの箱になっているけれどクエストではパンドーラのピトスで統一されている。
飛んでいってしまうのも希望ではなくエルピスらしい。・・・エルピスってなんだろう?希望とどう違うのかな?
クエストの説明文を読むとエルピスが飛んでいってしまうまでの期限が闘技大会開催日と被っている。
闘技大会の会場探しとパンドーラのピトス探しは並行して行えそうだけれども、クエストの最後に戦闘があった場合にはどちらか片方にしか参加できなさそうだな。
ピトスを閉じるためにピトスの番人と戦えとかすっごくありそうだ。
緊急クエストと聞くとものものしく感じるが、二つのイベントの期間がかぶっているのを見るに、パンドーラのピトスは闘技大会に興味ない人用のクエストとかなのかな。
対人戦闘が苦手な人もいるだろうし、大会に参加したり、見たりしない人はこっちに参加してください的な?
まぁ、私はこっちにも参加予定がないけれど。
しかし、おもちゃさんからのメッセージの終わりあたり、最後の方の様子がおかしいような。
なんだか、やけに必死な様子だ。・・・・おもちゃさん、まさか。
いや、いくらおもちゃさんでも世界に影響しそうなことはやらかさないよね?
おもちゃさんだって世界が終わるボタンを渡されたら自重するはず。開けてはならない箱を開けるわけないよ。
とりあえず、おもちゃさんへは「別件で忙しいので片手間でも良ければ」と返信する。
おもちゃさんには色々とお世話になっている。東へ向かう道中では散々迷惑をかけたし、掲示板の情報や探索者しか知りそうにないことを私に教えてくれている。
大変お世話になっているおもちゃさんからの頼みだ。すっごく手伝いたい、手伝いたいんだけど・・・・・。
「ほれ、はやく叩かんか」
「イエスマム・・・・」
今、バロンによるバロンズビートキャンプ中なんだよね。
暫く前からずっと、バロンによるスパルタ特訓を受けてるの。バロンが弱らせた獲物に延々攻撃を繰り返させられてるの。
一定時間たったらバロンがとどめをさして、また私が効いてる気がしない拳をふるって、その繰り返し。
最近は物理攻撃には見きりをつけられて水魔法の訓練に入ったよ。
弱った獲物にずっとぱしゃぱしゃ水かけするの。水をかけられてもピクリとも動かない敵の表皮を湿らせることを繰り返す。
・・・何してるんだろう、私。
なんでこんなことになっているのかな。
南の大国に着いた最初の朝、探索に出掛けた時にはまだ、こんな事にはなってなかったのにな。いつの間にこんな事態になったのだろうか。
思い返す、バロンのアフロヘアーを宥めすかして眠った次の日、目を開ければ黒猫のドアップがそこにあった。
気合い十分なバロンさんは早く子猫を探しに行くぞと私を急かして朝食も食べずに出かけようとしていた。
私はそんなバロンへ必死に空腹を訴えかけて一階のレストランであったかい食事に舌鼓みを打った。
いや、舌の上には乗せたけれど、味は分からなかったな。だって、レストランがすっごく豪華で緊張したんだもの。
シャンデリアきらきらで天井の高いレストランでの食事は落ち着かない。
アイギスと二人、緊張で固くなりながら食べた食事は暖かかった記憶しかない。
私は探索前に気力を減少させ、舌を少し火傷して体力も減らした。