腐った世界を生きていく
寝て起きたら異世界なんてのが最近流行ってるが、今からここに記すのは異世界に俺が飛んだ話ではなく起きたら日本が異世界みたいになってた話だ。
その日は長期休みと言うのもあり遅くまでSNSで配信をしていた。配信といっても趣味程度で知り合いとしゃべるようなくだらないものだ。朝方までだらだらと喋り、日が登ってから眠りについた。
「ドンドンドンッ!!」
しきりに叩かれるドアの音で目が覚めた。誰だろうと考えたが、こんなことをするのは姉くらいだろうと思いつつも覗き穴で確認した。誰だこいつ。知らないぞ。そこには小さい子どもが立っていた。小綺麗な格好をした少女だ。分かりやくす言うと某花の名前を知りたがる感動アニメのラーメンのトッピングみたいな名前の女の子を黒髪にしたような感じの雰囲気だ。なぜ来たのかが分からないままドア越しに聞いた。「何しに来たんだ?お友達のいえじゃないぞ。」
「臭いお化けに追いかけられてるの!助けて!!」
臭いお化けってなんだ。というかなぜ俺の家なんだ。追い返そうとドアを少し開けたとき強烈な異臭がした。臭い。肉を腐らせたような臭いだ。お化けかどうかはわからんがとにかく異様な何がいるのは間違いないようだ。少し恐怖を覚えたがドアをあけ、その少女を玄関に入れて鍵を閉めた。あれはなんだと聞こうとした時、足音が聞こえた。人の足音だ。ただ妙なことに気づいた。一人じゃない。かといって3人や4人でもない。もっと大人数10から15以上の団体がボロアパートの玄関前の通路を通っていた。お友達のお家訪問にしても多すぎる。そして異臭はどうやらこいつらから出ていたらしい。そいつらが通路を通っている間、異臭がさらに増したのだ。風呂に入ってないって次元ではない。というか不思議に思った。なぜこんなやつらがうろついているのに外が静かなのか。
「なんなんだあいつらは」
少女に聞いた
「わからない。私も外で遊んでたら急に追いかけられたから。みんなあの人たちに噛まれちゃった」
「噛まれた?」
「そう。でもすごく前なんだよ?その噛んだ人も警察に捕まったし。」
人に噛みついて、肉の腐乱臭のする人間?そこまで言われて思い付くのは一つだ。
「ゾンビ?」
そう我が町は腐乱した人間がはびこるラクーンシティに変わってしまったのだ