森を抜けた先
4部目です〜〜!イエーイ今日も書きましたー!
ダークな雰囲気漂うファンタジーってなんでこんなに書くのも読むのも楽しいんだろうか。
「出て行け!!」
本当に出ていけばよかったな
「悪魔の子」
ごめんね、お母さん 俺のせいで
「いつか厄を呼ぶ」
俺は......
森を抜けた先
馬車の優しい揺れのせいか、ヨハルはいつのまにか居眠りをしていたようだ。床に寝転んでしまっていたからか、ローブは埃だらけ、白くなっていた。
「あちゃ〜....。」
パンパンとローブを叩けば、そこらに無造作に埃が舞った。
「(しばらく人を乗せていないんだな... いや、そもそも本当は人を乗せるためのものじゃなくて、俺の頼みに仕方なく.... いやそれはないな。ん?)」
手すりから乗り出して前を見れば、もうすぐ森を抜けるようだった。しかし、
「.....は?」
ヨハルは思わず声を漏らしてしまった。
なぜなら、そこに広がっていたのは....
「ありがとな、爺さん。」
「いいえ、では....」
馬車は、そのまま前に進んでいったかと思えば....
スウッと 消えてしまった。 まるで霧のように。
「...あの爺さんと馬は、この街と共に消えれなかったのか....。」
そう言ってヨハルは、目前に広がる景色を見た。
どこもかしこも焼き焦げている。人は当然のように一人もいない。動物はおろか、虫さえも。
街“だった場所” は、悲しいほどに静かで、時折 寂しい風が吹くのみ。
そう、まるで.....
「墓場だな。」
そう呟いた声も、寂しい風が攫う。
せっかくの“生き物”の声は、無情にも消えてしまった。
「.....ん?」
遠くに遺跡らしきものが見える。黒焦げの街の中で、嫌になるほど主張されている。
要するに、とても綺麗なのだ。
「行ってみるか。」
あんなに目立っていては嫌でも興味がそそられる。ヨハルは死んだ街の中を進んでいった。
対象が近づくにつれ、道に線路が出てきた。どーりで綺麗に一本道が続いてた訳だと、ヨハルはその正体に気付いた。
「全然遺跡じゃなかったな。ここは....
駅か。」
駅の中は、所々崩れているにせよ、外とは全く違う雰囲気を纏っていた。外の赤黒い雰囲気とは対照的に、白く、神秘的とも思える空間がそこにあった。
外には全く無かったはずの植物が自由気ままに根を張っている。そこには白い蝶がひらひらと楽しそうに飛び回っていた。
崩れた屋根から漏れる光は、まるで天上の光のように優しく暖かい。その光に照らされて舞う埃が、キラキラと幻想的に光っている。
しかし、何度も言うように、ここは間違いなく死んだ街の一部。なのにまるで違う場所のようなのだ。転送してやったと言われても、信じて疑わないほどに。しかし外を見れば、やはりあの街で間違いはない。
どちらが異質なのかは分からない。しかしそんなことはどうでもいい。
この駅は思っていたより中々広いようだ。
ヨハルにとっては、この場所の謎の解明など 力を使ってしまえばあっという間だが、無粋を嫌う彼は、このゾクゾクするほどの不気味を、好奇心と子供心を以ってして、心から味わうことに決めたのである。
線路から上に上がると、目の端に何かが映った。
「階段...?」
外から見た時、 2階分の高さなんてあったか....?
ご閲覧ありがとうございます!
他にも私、前世殺し屋,今便利屋 〜テラ無双クソチート〜 という殺し好きの男が主人公のちょっとグロめ?な異世界転生モノの作品を書いております!ぜひぜひそちらも一度見てみて下さい〜!
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