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災厄の魔法使い  作者: 沢地 アイ
2/10

時空の扉をこじ開ければ

2部分目です!どうぞよろしくお願いします!異世界ファンタジー書くの楽しー!!

この世には、4つの異世界があるといわれている。

といっても、ただの逸話としてだが。そのため、本気で信じている者は少なく、ましてや、

実在するのだと知るものはいない。

ただ1人、 彼を除いて。






時空の扉をこじ開ければ






日がまだ昇らない時間、ヨハルは野原を抜け、山の麓に到着していた。当然だが、辺りに人は皆無。静かな静かな空間だ。

彼が今から行わんとしているのは 「時空渡り」。


「仮に他の異世界があったとしても、時空の扉は開けられない。まず、出現させるほどの力を持つ者などいない。」

この手の話を振れば、必ずこう答える者がいる。常識的に考えれば それでいい。その通りである。

しかし、彼を常識に当てはめんとするのは、余りにもナンセンスだ。

杖を取り出し、目の前を指す。「力」を込めれば音がした。 そうまるで、 施錠が外れたような。

指した先から風が吹き出る。それは辺りの木々を揺らし、彼のローブをバタバタと忙しなく翻し、ごうごうと唸りを上げた。それでも彼は瞬きを一切せずに、ただ前を見据え、満足そうに微笑んだ。

徐々におさまっていく風の中、「ソレ」が形を現した。重苦しく、威厳を讃えるその扉の施錠は、

確かに 外れていた。


こうしていとも簡単に扉をこじ開けたヨハルは、まるで当たり前のように、その扉の中へ歩みを進めた。ずっと先に白く小さな光が見えるが、そこまではずっと、まるでトンネルのような暗い一本道が続いている。歩きながら、ヨハルは色々なことを思い浮かべた。というより、勝手に脳味噌が話題を持ってきて、想起せざるを得なくなったという表現が正しいだろう。

「(こう1人になると要らないことばかり思い出す... いっそ忘れちまえれば楽なのに。)」

自分の無駄に良い記憶力を呪いながら、ヨハルは頭の中に浮かんできた風景を、ただじっと見ていた。じぃっと、ただ静かに 見ていた。

光がだんだんと大きくなる。随分暗い道を歩いてきたヨハルは、倍に増して感じられた光の強さに少し目を細めながら、それでも歩く速度を緩めずに、光の中へと消えた。


ほとんど閉じていた目をはっきり開ければ、もう知らない世界だった。歩いてきたはずの道は消え失せ、当然扉も消えていた。

「(ここは....山道か。 道に車輪の跡がある。馬車かなにかが通っているんだな。ということはさほど深くない森か。 ....しかし変な森だ。葉は全て薄紫、幹はまだら模様で所々色が違う。アホなガキが描いた落書きのような色合いだ、目にちっとも優しくない。)」

そんなことを考えながら、ヨハルはこれからどうするかを悩み始めた。

「(さてどうするか...ここでこの車輪の正体が通りかかるのを待つのも良いが、時間がかかるだろうな。かといって歩くにしても、この薄暗い森を抜けるのはいつになるか...。)」

旅の移動に極力魔法は使わないをモットーとしているヨハルは、車輪の正体が訪れるまで、試しに待ってみることにした。

「(急ぎの旅じゃない、むしろ呑気過ぎて良いくらいの旅だ。どうせ死人も同然な俺様の、この上ないスローライフだしな〜。)」

しかし30分後、ヨハルは歩き出していた。死人も同然のくせに短気である。

「(歩いてれば偶然バッタリ!みたいなこともあるかも知れねぇし、どうせなら自分の足で見て歩きてぇし、ってことで歩くけど、まぁ〜色合い以外何の変哲もねぇ道だな〜。ああ、でも、)

生き物がいねぇな。」


遠くで車輪の音がする。








ご閲覧ありがとうございます!

次もどうぞよろしくお願いします!









ツイッターもやっています!どうぞそちらものぞいてみてください^^

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