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村人Aからはじまる物語  作者: さぁや
1/3

きっかけは偶然

「やぁ、ここはユーリカの村だよ!」


いったい何度めだ、このセリフ。

ってかこいつもこいつだ。

なんだってこんな初期の村に何度も何度も戻って来てはわざわざ声をかけてくるんだ。

いわゆる死に戻りってやつか?

この世界、デスペナないもんなー


まぁ、声をかけてくれなければ俺の仕事は村の入り口をウロウロしているだけなのだが…。


俺は村人A。

愛称とかではなく、正式名だ。

なんだそれ、っておもうだろう?

俺もそう思う。

なんなんだろうな、この名前。

むしろ名前かすらも怪しいよな。

まあ、言うなれば『名前が与えられてない』

だけなんだ。

ここはゲームの中の世界。

いわゆるRPGとジャンル分けされるやつのそれだ。

見かけた人もいるだろ?村の入り口にいて、ウロウロして、話しかけられたらその村の名前を言う奴。

それが俺なわけ。


ここがなんてゲームか、名前はしらないが勇者は只今絶賛世界を救いに向かっているところらしい。

俺はというと

戻ってきた勇者に村の名前を告げる。

今日もまた、こういうんだ。


「やぁ、ここはユーリカの村だよ!」


とある小屋で目がさめる。

ベッドとテーブルと、いかにもな壺と、小窓のある、全く普通の家といった内装。

ここが俺の家だ。

ただ、俺はいつも村の入り口にいるから勇者はここが俺の家だと言うことは知らないだろう。


帰ってくるとだいたい壺が壊れているから破片を片付けて、定期的に国から支給されているアイテムを新しい壺に入れ直す。

大体は傷薬やらアイテムが支給される。


いったい何日目になっただろうか。

勇者はどこまで攻略をすすめたのだろう。

そんな情報は一切与えられていない。

俺はただ、村の入り口で村名を言っていればいいのだ。

勇者はいいよな、成長すれば新しい技やらが使えて、いろんなところに行けて。


今日も村の名前を言う仕事が終わって帰宅する。

また壺が壊されている。

せめて破片くらい持って帰れよ…

そうブツブツ愚痴りながら壺の破片を片付ける

今日の配給は…おっと、レベルアップの宝玉か。

なんと珍しい、こいつぁ景気がいいな。

それを壺に入れようとして、俺はふと手を止めた。




この、レベルアップの玉を

「俺に使ったらどうなるんだろう」



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