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スナック菓子で契約が成立する究極の世界。  作者: 環蝸
第二章 瓦解の残響
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第二章 瓦解の残響(1)

第二章 瓦解の残響

気が付いたら、そこはコンクリートの上だった。冷んやりとしたコンクリートの上で寝ていた。そっと起き、周りを見渡す。高層ビルが立ち並ぶ、冷たい印象の都市。カラカラと風が吹く。遠くの方で顔を出してきた太陽が街を照らす。

見知らぬビル、見知らぬ街、見知らぬ土地。拉致されて捨てられたのでなければ、夢としか思えない。これは白昼夢なのか、それとも悪夢なのか……。

幸いにも五体満足のままだったので、街を散策することにした。日常生活であまり歩く機会はないが、散歩するのは嫌いではない。どちらかと言えば好きな方である。街を見回り、規則正や特徴、自分の住んでいる場所との違いを見つけ出すのが好きなのだ。その代わりと言ってはなんだが、同じ所を同じように規則的に歩くのはあまり好きではない。

あれは、鎌倉へ遠足に行った時のことだろうか。仏像を拝みに行った後、街を歩いていたらいつの間にか同じ班の仲間とはぐれてしまい。気付いた時にはもう少しで江ノ島に着くところだった……。



驚いたことに、ここには英語というものがない。

雰囲気的には外国の都市、都心、もしくはオフィス街といった感じである。整備された道路、高いビル群、地上に留まらず、空中に広がる道路(高速道路なのだろうか)。そういった都会に隠れるように、古めかしい店舗が並ぶ区画も存在している。外国と言っただけで驚きなのは分かるが。前述の通り、俺の驚きはそんな小さなものでは留まらない(起きたら見知らぬ土地にいるというだけで、既に大事件だと思うが)。

ここには、英語という言語がない。

この時代、こんなにも発展した国ならば社名、看板、チラシ、文字を書くモノを探せば英語が入っていて然るべきである。英語という言語でなくともローマ(アルファベット)、またはアラビア数字が書かれていてもおかしくない。なのに、どうしてこんなにも、英語が存在しないのか。英語がないのなら、この地の言語を理解したいが。果たして、こんな先進国が地球上に存在するのだろうか——。

少々、歩き疲れてしまったようだ。

その辺の草むらで風を凌ぎつつ、俺は少し寝ることにした。

このまま夢から覚めることを祈りながら。

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