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スナック菓子で契約が成立する究極の世界。  作者: 環蝸
第三章 従順で善良で悪逆な市民
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従順で善良で悪逆な市民(4)

 それから少し買い物をして宿へ着いた。部屋に入るなりベッドへダイブ。長く歩いたので疲れた......。否、断じて女の子と''むふふ''な事をして疲れたとかではないぞ......。その証拠に、まだスナック菓子(袋詰め)はここにある。

 今日はこの街の都会部分へ行ってみた。車やバイクのような物が走っている。ただ自転車が多かったな。電車も走っているし、スーパーマーケットやホームセンター的な場所もある。ただ全てはスナック菓子で交換出来るのだ。不思議だ。

 ここまで文明が発達している国なら日本大使館もあるかもしれないが、安易に行くのは危険だろう。僕を拉致した連中が、どうして僕を外国まで輸送した挙げ句リリースしたのかは分からないが、理由が分からない以上は常に監視されている可能性もある。むしろ、この国や日本の何らかの大きな組織が関わっている可能性すらあるのだ。口封じのために射殺されるかもしれない。ここは様子を見た方が良いだろう。

 

 夢を見た。

 少女に罵倒されている夢だ。

 金髪碧眼の少女は呆れ返ったように罵倒を続ける。

 だが、不思議と心地よいのは何故だろう。

「どうしてそんなにも、貴方は気持ちが悪いのでしょう。汚物を塗りたくったスライムでさえ貴方よりまともに見えましょう。気持ちが悪い。何故言いたい事があるのに言えないんですか。本音や自分の感情に気付かないフリをして、本当に気付けないようになっているなんて滑稽ではありませんか? 自分は物事を俯瞰し、静観していたいと、物語の住人ではなく物語の読者でありたいと思っているのではありませんか? そんな人間に何の価値がおありですか? 貴方が呼吸をした酸素があればどれだけの環境破壊を防げますか? 貴方がいなければ貴方が食べた命を救えたと思いませんか?

 ありていに言えば、もっとがんばったらいかがですか? 野生にいたら貴方なんて群れから外れて天敵から襲われるだけの存在なのですから。せめて、一秒でも生き延びようと、一撃でも天敵に与えようと、一寸でも爪を避けようと、努力した事がありますか?」

 気持ちが悪いけど、心地が良い。何故だろう、こんなにも不快な事を言われているのに心地が良いのは。もっと聞いていたい──

「──聞いているだけでは、駄目ですよ」

 少女は哀れみを込めて、そう締めくくった。


 夢から覚めた。

 少女と楽しくお話をする夢を見た気がするが気のせいだろう。

 くいっと、僕は大きく伸びをした。

 さあ、ビアンカさんが作ってくれた料理を食べよう。

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