異世界で初恋の続きをはじめました。
誰でも諦めることがどうしてもできないことや忘れることができない「思い」を一つは心に一つは持っていると思います。でもその思いを諦めたり、忘れるために空回りしたことはありませんか。この話は空回りしても最後にはハッピーエンドになるといいなという思いで書きました。
・・・・私は今知らない土地に立っています。目の前には湖と周りは木に覆われた場所に立っています。
・・・・私はさっきまで確かコンビニにいたはずなんだけどなぁ。
・・・とりあえずどうしよう?
そんなことを考えていると頭の中に言葉が聞こえてきた。『あなたの想い人もこの世界に来ていますよ。あなたの初恋の続きを頑張ってくださいね。諦めない想いはあなたをきっと幸せにしますよ。』という言葉が頭に響いた。
・・・・・ぇえええええええ!!!!?
彼もこの世界に来てるってどいうこと!?
初恋の続きって私の初恋はもう終わってますけど!?
『それはどうでしょうか。あなたは終わったと思い込んでいるだけであなたの心の奥底には彼への恋心がしっかりと残っていると思いますよ。』
確かに昔は初恋を忘れられなくて苦労したけど今では一番の友人に変わったよ。気持ちもしっかりと整理ついてるし。
『・・・・・。ではあなたの心にある恋心の思いを見せてあげましょう。』
その言葉が頭に響いた後、目の前が真っ暗になった。
-心の中の記憶と思い-
あなたに初恋をしてから自分の気持ちを伝えるまでに9年の歳月がかかってしまった。私の初恋は実ることはなく、あなたに振られて失恋してしまった。
でも失恋をしたからといってあなたへの想いが簡単に消えることはなくて、逆に告白する前よりも想いは大きくなっていくばかりでどうしたらいいのかわからなくなってしまう。
学校が別々になるからこの初恋を終わらせて次に進むと決めて告白したのに気持ちは消えることがなくて、逆にあなたの家の近くを通るたびに「あなたに会えないだろうか」と期待してしまう自分がいる。
表向きはもうあなたのことは好きじゃないと言ってるけど、心の中ではまだあなたのことが好きと答えている自分がいる。失恋しているのだから潔く諦めたらいいのにそれをできない自分にいやになってしまう。
やっと心からあなたの姿が少し消えたかなと思うと、そういう時に限ってあなたに出会ってしまう。
電車の中であなたは気付いていなかったけど、私があなたを見間違うはずがない。だってずっとあなただけを毎日目で追い続けていたのだから。
たまにあなたとすれ違うようになってからもう3年が経ちました。
3年間あなたを忘れることができなくて、3年間の間に新しい恋をしてみれば忘れられるのじゃないかと思って付き合ってみたりもしたけど、心がときめくことはなくて逆に心は苦しくなるばかりで私はとんでもない人に初恋をしたんだなと思う。
私の心はいつまでもあなたにとらわれたままで私は恋をすることはこの先ないだろうとこの時思った。
でもあなたとすれ違う日々も本当にこれで終わり。
だって私は故郷であるこの街を出ていくのだから。
あなたと会う機会を確実になくすために大学は遠く離れた場所にある大学を選んだのだから。
しかし、昔に学校を卒業するときに二十歳になったら同窓会を私のクラスは開くことを言っていたことを忘れていた。
あなたが来るとは思っていなくて同窓会に行ってみればあなたがいて、せっかく地元を離れてあなたへの想いや恋心に鍵をかけて心の奥に追いやっていたのあなたに会うだけで私がかけた鍵なんかすぐに外れてしまいあなたへの想いがまた湧き上がってくる。
私はいつになったらあなたから解放されるのだろう。
大学生になっても私が好きなあなたの笑顔は消えてなくてあなたの笑顔や笑い声を聞くだけで泣きそうになる。やっぱり私はあなたが好きで、恋人とか両想いとかじゃなくていいから友達としてあなたと話したりそばにいたいと思ってしまう。
小さい頃はあなたのことが好きでいることが精一杯であなたに話しかけることすらなかなかできなかった。
でも今の私はその頃よりも少しだけ強くなっていて、あなたに「久しぶり」と話すことができた。
でもあなたに話しかけるのはやっぱり勇気が必要で私は普通にしているように心がけたけど鞄を握っている手が震えていた。
あなたがこっちを向いた。
私の心はそれだけで今まで誰にもときめかなかったのにドキッとなった。
「久しぶり。学校が違ってから合わなかったから5年ぶりかな。」ってあなたは言ったけど実際は2年ぶりなんだけどねと、私は思いながらも「そうだね。」とっ言ってしまう。
同窓会では友達と話しながらもあなたとも随分と話すことができた。連絡先も直接交換することができた。
今の私が小さい頃の私ならあの時あなたに失恋することもなかったのかなって少し思ったりした。
同窓会のなかでびっくりしたのはあなたも地元を離れていて、それも私が選んだ大学の地域の大学に通っていることが分かった。ここまでくると縁というよりも呪いに思えてくる。
あなたへの想いを断ち切りたくて大学をわざわざ遠くにしたのに。
神様がいるなら私は神様にこう言いたい。
『私の心から彼への想いを恋じゃなくて友への想いにしえ下さい。』
でも実際にそんなことは叶うことはなくて、あなたへの気持ちは恋心から変わることはない。
同窓会の間中私の心はドキドキしっぱなしで、心臓が破裂してしまわないか心配するほどだった。
それに普段はお酒を飲んでも酔ったりしないのに緊張しすぎて珍しく酔ってしまったために普段の私なら絶対に言わないことを言ってしまうし。
言ってしまった言葉は「またあなたに会いたい。」
友人でもないし、振った人からいきなりそんなこと言われたら普通はひくはずなのにあなたは笑顔で「じゃぁ、いつでも連絡できるように連絡先交換するか。」って簡単に言うし。
私も酔っているものだからすんなり連絡先交換してしまっているし。
自分から恋を諦める努力を無駄にするようなことをしてしまったという後悔の気持ちがあふれてくる。
でもそんな気持ちとは反対に連絡先を知ることができて、とてもうれしい気持ちがあふれてきて心の中でぐるぐると気持ちが回っている。
同窓会が終わり、家に帰ってすぐに寝たことで朝には二日酔いすることもなく起きることができたけど酔いも醒めているものだから昨日の自分の行動に後悔している時、あなたから連絡がきた。
『大学の仲間と遊びに行くんだけど一緒にどう?』という遊びの誘いだった。
・・・。確かに酔ったときにまた会いたいと言ったけど昨日の今日で?それに酔った人間のいうことでも気を使ってちゃんと行動に移すのは昔と変わってない。
私は昔と変わっていない彼の行動に心がときめくのと同時に、彼への恋心は記憶がなくなったりしない限り変わることは出来ないと確信した。
恋心がなくなることがないのであれば、諦めるのではなく今度こそ彼と両想いになって付き合えるように頑張ろうと思うことにした。
散々諦めるために努力はしたきたにもかかわらずこんなに再会したりするのは何か意味があるのではないかと思えた。同窓会で会ったときは呪いだとか思っていた自分がこんな考え方をするのは不思議だ。
私は誘いを受けることにした。ただいきなり知らない人がたくさんいるところに一人で参加する勇気がなかったから大学の友達も一緒に誘って遊ぶことにした。
大学で出来た友人は私が彼に初恋したことそしてまだ恋していることは言っていない。
友達と私、彼と彼の友達2人合わせて5人で遊ぶことになり、遊んでみるとこれがとても気が合ってその後も定期的によく遊んだり、飲みに行くようになった。
同窓会で再会してから半年がたった。
その間私と彼の関係というと同級生から悩み事が相談できる友人までには仲が深まったと思う。
5人以外でも2人でよく悩みの相談事をするために飲みに行くことが時々あるぐらいには仲が深まった。
最初の頃はドキドキが止まらなくて、思うように会話することができなかったけど、今ではドキドキすることは変わりないというより、増している気がするけどドキドキしながらでも思うようにしっかりと会話をすることができるようになり、自分以外の人に彼への恋心がばれないようにうまく気持ちを隠すことができるようになった。
半年前の自分に比べると信じられないくらい心が強くなったと思う。
そしてあなたへの恋心が初恋したときよりも、再会したときよりも大きくなっている。
初恋で遠くからあなたを見ていることしかできなかった時よりも、あなたと会話したり、一緒にいる時間が増えたことで昔よりもあなたのことがしっかりと分かるようになってさらに好きになった。
一緒にいることで意外な一面を知ることも増えて、いろんな一面を知ることが楽しみで、そして知るたびにまた惚れてしまう。
例えば寝起きが弱くて寝起きに目をこするかわいい姿とか、あなたは私をキュン死にさせる気ですか?と言いたくなるようなことが多い。
人生の中で一番青春しているといっても良いぐらい毎日が楽しくて仕方なかった。
でもその楽しい日々はすぐに崩れていった。
その時は突然来た。
大学の講義が終わって家に帰ろうとしていた時に『相談したいことがあるんだけど今日飲みに行かないか』と彼から連絡があった。
私はすぐに『了解!!いつものところで!』と返事を送って、急いで家に帰った。
彼に会うときは彼に少しでも好印象をもってもらいたくておしゃれに力をいれる。これは恋する女の子なら誰でも同じだと思う。
おしゃれしていつものお店に行くと彼はもう来ていた。
お店に入っていつものように料理と飲み物を頼んで、食べながら彼の相談事を聞いていた。いつもは大学の講義の事やバイト先の事や友人の恋の事とかの相談や話だったけどその日は違って彼の恋愛についての相談だった。
私はあなたから私の友人のことが好きで、どうしたら付き合えるだろうかということ。そして彼女に恋人がいるのかなどを相談された。
相談されたとき私は彼が何を言っているのかを一瞬理解できなかった。そして理解した瞬間持っていたコップを落としそうになった。
彼が私のことを信頼して自分のことを相談してくれることはとてもうれしかった。でも相談された内容があなたの恋愛相談なんて。
私は彼の質問に対して、彼女に彼氏はいないことや彼が気になっていることを全て答えた。そして彼女にそれとなくあなたに好意を持っているのかを聞いてみるという約束などをしてその日の飲み会は終わった。
気付いたら家の玄関に立っていた。会話したところまでは覚えているが別れてからどうやって帰ってきたのかをまったく覚えていない。
気付くと頬に涙がつたっていた。もう想いを隠す必要ないよねと思った瞬間涙があふれてきてたまらない。
あなたと一緒にいたくて想いに気付かれないように心をうまく隠す癖がついてしまったことで、彼からの友人への恋心や相談を受けている時は気付かれないように「良い友人」を演じた。
きっと半年前の私ならあなたの恋愛相談を聞いた瞬間にその場で泣いていたかもしれないけど成長したことで彼の前では泣くこともなく、応援しているかのように演じることができた。
私って本当に成長したんだな。そしてその成長が今の自分の心の荷になっていしまっている。
せっかく仲良くなれて、今度こそ頑張るぞって決めてたのに今度は告白する前に二回目の恋が終わった。
彼に幸せになってほしいという思いと友人と付き合ってほしくないという思いが心の中でまわっている。
「友人に聞いてみる」と言ったが友達にまだ聞いてないが5人で遊んでいる時の彼女の雰囲気ならたぶん彼に気があるのだと思う。
昔からそういった感は外したことがない。今までその感に助けられてきたが今回はその感が自分の首を絞めることになるだろうという未来への想いがさらに私の心に痛みを与える。
私はどうしてこんなにも恋に恵まれないのだろう・・・・。
あなたが好きになった子がせめて私の友人じゃなくて知らない人なら、まだ私の恋がかなう可能性を信じることができるのに・・・。
私の彼女はおしとやかなタイプでかつ優しくて大抵の人に好かれるタイプの私の自慢の友人。
だから彼女を好きになった彼は人を見る目があるし、彼は明るくて優しいタイプだからお似合いだと思う。
そんなことを思う一方で私はそれが悔しいなと思った。彼につりあえるようになりたくて、いろんなことを頑張ってきた自分が意味のない存在に思えてきてしまう。
そして彼女のことをうらやましいと考えてしまう自分が嫌になる。
今日一日は思いっきり泣いて明日には彼の友人としてそして彼女の友人として二人の幸せのために、そして自分のために応援すると決めた。
2人に幸せになってほしいという思いは本心だし、今まで頑張ってきた自分が無意味な存在ではないことを確認するために応援する。
そして彼への恋心で自分がこれ以上傷つかないようにするために二度と鍵が開かないように「恋心」に何重にも鍵をかけて奥底に封印して、「恋」という概念を自分の中から追い出した。
そうすることで2人のキューピットになっても心が痛むことはなかった。
2人は徐々に距離を詰めていきついに付き合い始めた。
私と2人の関係というと相変わらず彼とはたまに悩み相談をのり、彼女とも親友としてそして相談にものる関係が続いている。ただ彼とは2人で飲みに行くことはなくなり、昼間に彼の友人も一緒になって相談されたり会うようになった。
彼も彼女も別に2人で飲んでも構わないと言ってくれたが私はそれを断った。自分に関係のない恋愛相談にのることは出来ていたが、この時すでに私の心から「恋」という概念は消えていた。それでも無意識に2人きりになることを避けていた。
彼への想いが友人としてへと変わっていたが、恋心へと変わってしまうかもしれない機会は全て避けることで自分の心を守ることができた。
それからも関係は変わることはなく私は2人の友人として毎日すごしていた。
ただ4年生になり、卒業研究と就活で半年ほど2人と会えていなかった。
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-現実-
ふっと目の前が明るくなった。
『どうですか?あなたの恋は終わっていないことを思い出しましたか』頭の中に聞こえてきた。
思い出したからといって彼への想いは終わったし、もし私に彼への恋心が残っていたとしても彼には彼女がいて私の恋は実ることはないことははっきりとしていると思う。
『彼と彼女はあなたと会えなってからしばらくたったころに別れていますよ。だから彼は今彼女はいませんよ。』
・・・え!?あの2人別れたの!!?理由は?それに2人とも大丈夫なの?
『理由はまあ置いといて2人は元気に生活されていますよ。だから気にせず初恋の続きをはじめてくださいね。もう心に鍵をかける必要はありませんよ。頑張ってくださいね。後、湖の向こう南側に街があるのでそこに向かうといいですよ。』
頭の中に聞こえてきていた声が聞こえなくった。
・・・・。2人が元気に生活しているのは良いけど、そもそも自分の心に鍵なんてもうかけてないし、初恋もきれいに終わってるんですけど・・・。誰か知らないけど人の話聞いてないな。
とりあえずここにいても仕方ないから言われたとおりに街を目指しますか。
彼のことも心配だしね。
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-声の主-
『精神面が成長した代償として恋心にあまりにも長い間鍵をかけてしまっていたことで恋という概念を思い出すことができなくなっている。どうかこの世界でそして冒険であなたの恋心の鍵が解けることを祈っていますよ。そしてあなたが幸せになることを祈っていますよ。・・・私の愛し子』
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私の冒険が今始まる。そして恋心を取り戻すことは出来るだろうか。
-end-
連載版も投稿しています。
続きは連載版で!!