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なんでなんで愛が必要なんだ

作者: 東鬼 狐雨

 ――隣にはいつもあなたがいる。


 周りの人は、

「可哀想に。捨てられたんですって」とか、

「酷いことを」とか、

そんな人が沢山いたけど。


「おはよう。朝ごはん食べろよー」

 この人はなんか違った。

 何が違うのか分からない。


 「親」……という単語は理解できる。

 けどそれがどんなものだかは理解できない。

 この人の知り合いという人が言うには、この人は自分の「親」の代わりだそうだ。

 よく分からない。


「親って何?」

と聞けば、


 周りの人は、

「血が繋がっている人」とか、

「君を産んでくれた人」のことらしいが、


 この人は、

「親?あー……、とりあえず手ぇ繋いどきゃ良いんじゃね?」

と言う。


 この人は警察官というやつだそうだ。

 悪い人を捕まえる警察官。

「お前も手錠にハメてやろうか~?」

なんて言ってたけど、それじゃあ手は繋げないんじゃないかと思う。


 この前怪我をした。

「孤児の分際で」と言われて殴られただけなのだけど、あの人は何故か心配した。生憎、痛みには疎いから、心配する理由が分からなかった。


 泣きもしない自分のことを周りの人は嫌った。

「感情が無いんじゃないか」

と。知ったこっちゃない。


 泣きもしない自分のことをこの人は無言で抱き締めた。窒息するのじゃないかと思った。それぐらい苦しかった。

 別の苦しさもあった。抱き締められたとき、心臓らへんが痛くなった。これが何なのか分からない。


 人が何故泣くのかが分からない。

 自分が誕生日というものを迎えたらしい。

 灯りを消した部屋で、ケーキというものに火を付けて、願い事をしながら火を消すそうだ。

 二人で火を消した。

 ただ、この人は笑ってた。


 次の日、この人は仕事に出た。


 ――帰ってこなかった。


 撃ち殺されたそうだ。胸ポケットに入っていたと渡された紙を開くと、昨日の笑ったあの人と、無表情な自分がいた。


 帰ると家は静かだった。

 写真を握りつぶしていた自分がいた。

「おかえり」

と言うあなたが居なかった。

「今日の晩ごはんは自信作だ」

と自慢気に言うあなたが居なかった。


「生まれてきてくれてありがとう」

と「親」が言うらしい言葉を言うあなたが居なかった。


 鼻がつんとして、心臓が痛くて、ただただ苦しかった。


 あの人があの言葉を言う時に出た水が自分にも出てきた。

 熱かった。火傷をしてしまうぐらい。

 しゃがめば独りになったと感じる。

 声が枯れた。


 あなたがいつも隣に居ればと願って消した火はとっくのとうに消えていた。


 ――隣にはいつもあなたがいた。

結局何が書きたかったんだ


なんかこんなのあったらイイヨナーってTwitterで思いついたので忘れないうちにと。

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