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キミノオト  作者: 水波 葵
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ハジマリノオト

『明日も見に来いよ』



それが颯斗の口癖だった。


私は、この言葉を毎回毎回本人から直接言ってもらうのが当たり前になっていたからか、きっと普通の感覚みたいなモノが少し麻痺していたのかもしれない…。


自分の気持ちを相手に素直に伝えることができないし、今の自分に自信を持つことができない。


世間一般では、こういう私みたいな人間の事を、


『不器用』


と呼ぶが、まさにその通りであり、否定できないのがその証拠だ…



颯斗は自分の夢に向かって毎日毎日頑張っているのに、私は何もしたいことが無い。


したい事が無いのが一番の原因だか、自分の将来に不安を感じる今日この頃…


『私も夢が欲しい』


そう思うようになったのは、一体いつからだったのだろうか…

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