休む時間の朝
掲載日:2026/11/05
よく晴れた朝が目に染みる。
「お疲れ様でーす!」
「あはは、いつも元気だねぇ」
「気をつけて帰りなよー」
「先輩少し寝たらまた仕事戻るんでしょ、まじタフネス過ぎますよー」
口々に声を掛け合い、一旦家に帰る。
そういえば、最後に口にしたのは栄養ドリンクだった。
それでも腹は空いていない。
いつものこと。
朝日が強く、地面からジリジリと照り返す。
日陰を探し、いつもの道から一つ角を曲がる。
ふと見上げると、淡いネオンの看板が日陰の中うっすら光っている。
今日やってるんだ。
気が向いて、ドアを開ける。
ひんやりと、心地いい空気。
いつもこの時間は誰もいない。
バーテンダーも、相変わらず無愛想だ。
ただコースターを置かれる。
いつものノンアルコールドリンクを頼む。
『休む時間が必要です』
コースターにいつもの手書き。
おせっかいだな。
少し口角が上がる。
一杯だけ飲み、店を後にする。
いつものように家に帰る。
そういえば、帰りに何かを買おうと思っていたが。
忘れた。
家に着いて、ポケットから鍵を出す。
鍵を開け、家に入る。
突然、体が重くなった。
瞼も落ちてくる。
ただ、泥のように、眠る。




