38話 11月16日 膳所と伊勢の電話
「はい、もしもし。伊勢です」
「ようやくつながった! です」
「すみません、声が遠いようなんですが……」
「膳所です!」
「失礼しました! お疲れ様です」
「さっきから何度も電話しているんですが、どうにも電波 が悪いようで……。ひょっと外出され いますか?」
「いいえ。御子柴とともに家におりますが。本当ですね。なんか飛び飛びに。こちらの声は聞こえていますか?」
「いま、ようやく。なん ね、つなが んですが、応答 なくって……。 回目でよ やくこうやって 話ができる なりました」
「それはお手数かけました。あ、家の外に出てみましょうか?」
「いえ、それには及びま ん。『なおこちゃんの手紙』に 知っている方とコンタクトがとれまして。 相手が伊勢先生と直接お会い とのことで……」
「私と? お会いしたい? すみません、なんだか聞き取りにくく」
「そ 日程なんですが、 日はど です ?」
「……すみません、なんか音声が……」
「18日はどう すか?」
「大丈夫です」
「じ あ20:00に、居酒屋美喜治で」
「居酒屋美喜治……あ。御子柴が知っているようなので。わかりました」
「あの」
「はい?」
「えっと……。こんなこと聞いていいのかな」
「なんですか?」
「伊勢先生は、初婚……ですよね」
「はい」
「いま、ご在宅中、なんですよね?」
「ええ」
「姪っ子さんとかが一緒とか?」
「いえ?」
「……ななんか、ずっと」
「はい」
「あそぼう、あそぼう、って女の子の声が聞こえるんですが……。テレビの音ですか?」
「………」




