君との出会い 〜自己紹介を添えて〜
「この紙、落としましたよ亅
透き通るような女性の声。その声を聞き後ろを振り向くと、美少女というのをそのまま現実にもってきたかのような美貌の持ち主がそこにいた。
「あんた、名前は?」
あまりの美しさにとっさにそう聞いてしまった。これから長い付き合いになるはずもないのに。
「森井ヒナといいます。」
これが、俺とヒナの初めての出会いだった。
***
1月15日。数多の中学校に小学生たちが集う。そう、今日は中学受験の日だ。
その小学生のうちの一人である俺はいま人生最大の危機に陥っていた。
中学受験をする者にとっての危機はいくつかあるが、なかでもダメなやつが、「テストに遅刻すること」だ。
あいにく俺はその遅刻をしてしまいそうなわけだが、その前に自己紹介でもしよう。
俺の名は長谷川リョウ。大手中学受験指導塾である「磨部中」、通称、「マブナカ」の成績優秀者のトップ50にいつも入るほどの成績優秀者である。
そんな俺は、日本で最難関校と呼ばれる貞中学校を目標に、日々勉強していた。小学校のテスト勉強などしなくても、当然満点で、正直先生を見下していた。
塾では貞中専門のクラス、Sクラスに在籍していて、その中でも先鋭の先鋭を集めたS0クラス(エスゼロ)にいる。正直、先生や友達からは貞中には受かるだろうと思われていて、
(ちょっと勉強するだけで成績が伸びるなんて、最高じゃねぇか!)
とちょっと、いや、結構浮かれていた。
そしてやってきたテスト本番。いつも通り健康的な朝ご飯を食べ、筆箱を入れるなどの支度をし、電車に乗った。
そこまでは完ぺきだった。そう、そこまでは完全に完ぺきだったのだ。
そして電車に乗った。貞中の最寄り駅は「学園前」だった。なぜそんな名前かというと、その駅の目の前に西牡丹学園があるからだ。
俺の駅から学園前駅に行くには、三国ヶ丘駅で乗り換えていく。俺はその三国ヶ丘駅まで座って勉強し、テストに備えていた。
「次は〜。西本橋駅で〜す。」
…やってしまった。西本橋駅は、三国ヶ丘駅の次だ。そう、乗り過ごしてしまったのだ。
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