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バンド内恋愛はダメだと一般的に言われていますが  作者: ねくら
第2章

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フェス前③

さて、肝心のライブだが、結果から言うと大成功だった。


僕は正直、姉のバンド『チェリーズ』を物凄く意識していた。

そう、初めて共演した時に『喰らって』いるからだ。

だから、今回も同じことになってしまうのではと心配をしていた。


しかし、それは杞憂だった。


姉のバンドは相変わらず凄かった。

技術も勢いもあり、素晴らしいパフォーマンスであったことは間違いない。


しかし、それはそれだ。


僕たちは僕たちで積み重ねてきたものがある。

一つ一つの楽曲作成、練習、ライブが僕を支えてくれた。


だから、僕たちは『負け』てなんていない。

そう思うことが出来た。


こうして、2回目の姉との共演は、ある意味あっけなく終わった。

ただただ、良いライブだったと思えた。


そして…前回参加することのなかった、打ち上げに参加することとなったのだが…


「かんぱ~い!」


今回のライブの主催者であるマキちゃんの声が響き渡る。


「かんぱ~い!」


何故か僕の隣にいる姉の声も響き渡る。

僕は引き攣った笑顔で姉に語りかけた。


「姉ちゃん、チェリーズの皆さんと飲まなくても良いの…かな?」


「ん?いいのいいの!あいつらとはいつも一緒なんだから!それより愛する弟と打ち上げにまで出来るなんて…今日死んでも良い!!」


僕は打ち上げに来たくなかった。

こうなると分かっていたから、帰ろうと思っていた。


しかし、あっちゃんと菜奈さんが『主催者であるマキちゃんに失礼』というもっともらしい理由でそれを許してくれなかった。


だが、本当は二人ともこれが見たかったのだろう。

何故なら、二人は僕と姉の前の席をちゃっかり確保し、ニヤニヤしながらこちらを見ているからだ。


そして…ほのちゃんはその二人に挟まれて、居心地悪そうにちょこんと座っている。

すると、いきなりバカ姉がほのちゃんに問いかけた。


「ほのちゃんは弟と付き合ってる…んだよね?本当なんだよね…?」


ほのちゃんがビクッとしたのを僕は見逃さなかった。


「は…はい…お付き合い…させて頂いてます…あっ…ごめんなさいご挨拶が遅れてしまって…!」


「いやいや…!そういうのは良いのよ!気にしないで…!でもそっか~…本当なんだね~」


僕は耐えきれず、カットインした。


「姉ちゃん!ほのちゃん困ってるだろ?やめろって!」


「え…お姉ちゃん別に意地悪したつもりないのに…ひどい…!」


姉はワザとらしく顔を両手で覆い、泣くフリをした。ウザい。


「とにかく付き合ってるの!以上!もういいだろこの話は!」


「ちょ…ちょっと待ってよ~…お姉ちゃん色々気になるな~?」


「そうやっていつもいつも面白がって!やめてくれ!」


「だって…可愛い弟の…」


「もう大人だ!」


「大人でも可愛い弟には変わりないし…」


「そういうのが嫌なんだよ!」


「な~んで~!?」


抱きつこうとしてくる姉を僕は必死で抑えつける。

そしてハッとした。


メンバーの前で普通に姉弟喧嘩をしてしまった…

僕はおそるおそるメンバーの方を見る。


案の定あっちゃんと菜奈さんがニヤニヤとこちらを見てる。

菜奈さんが僕の心情を察したかのように言う。


「あ!お構いなく!続けて下さい!」


あっちゃんが続ける。


「そうですよ!私達は気にせず!」


僕は咳払いをして、姿勢を正した。


それからしばらくは姉を無視した。


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