答え③
「解散?何言ってるの?」
あっちゃんの声が待合スペースに広がった。
今はスタジオ練習終わり。
僕はけじめとして、今後の話を率先して話そうと考えた。
だから、『バンドを継続するか、解散するかといった話がしたい』と伝えたのだった。
その答えがこれだ。
「ビジンは解散したいの?」
菜奈さんが問いかけてきた。
「解散は…したくないです。虫のいい話かもしれないですが、前にも伝えた通り、皆さんは大事な存在で…バンドだって…でも、もちろん強制は出来ないので…その話を…」
「私が男を取られたくらいで、友情を捨てる女に見える?」
「い、いえ、そういうわけじゃ…」
「それが答えよ」
菜奈さん…
僕は自然とあっちゃんの方を見た。
「私はね…言ったでしょ?2番でも3番でも良いって!」
あっちゃんはカラカラと笑った。
ほのちゃんが被せる。
「だめですよ…!ゆるしません…!」
「油断しないことだね~!」
あっちゃんは舌を出した。
とにかくバンドは継続…ということで良いのだろうか?
あっちゃんは真面目な顔に戻り、僕達に言った。
「私もバンドを抜ける気はないよ…!」
良かった…
あんなことがあったのに…バンドは続くのだ。
バンド内恋愛はダメだと一般的に言われていますが…例外もある様でした。
第1章 ~完~
 




